「きくまの民話と伝説」愛媛県菊間町
エンコの相撲七夕さんがすんだら“エンコ”が引っぱるけん泳ぎにくいな云うじゃろう。他所の子がなーあ、家ぃいんで、 「ひだるいひだるい、なんぞ食べるもんないか!」ゆうたらなあ、お母さんが、 「なあんもないけんど」……なあ、 「お仏壇のままでも食べて行け。」ゆうたんじゃとい。ほて、お仏壇のご飯を下ろしてくれてなあ、ほて、それを食べて、川い泳ぎにいたんじゃろ。 ほしたらエンコが出て来てなあ、エンコが、 「相撲取ろや。」ゆうけん相撲取った。 ほたらなーあ、なんぼがしたってエンコが負けるんでなあ、とうどう、 「お前は仏様のまま食べとるけんもうあかん。」ゆうてエンコが引っこんだとい。エンコは、「子供を引っぱっていんで尻をぬいちゃろ!」……と思とったのに、残念そうな顔で水ん中い、いんでしもたんじゃとい。 子供が勝ってエンコが負けた。はーなーし……。 (「きくまの民話と伝説」より。話者は村上照子さん)
(四国ブロック編集協力員大道法幸=愛媛・菊間農民組合)
(新聞「農民」2004.3.1付)
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[2004年3月]
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