東京港ほとんどフリーパスにびっくり農産物の輸入現場を視察
コンテナが所狭しと並んだ広大な敷地。岸壁にそびえ立つ巨大なガントリークレーンが船からコンテナを猛スピードで積み下ろし、トラックが次々運び出して行きます――農民連青年部は十三日、東京・青海の港見学を行い、農産物の輸入現場を視察しました(写真〈写真はありません〉)。 「接岸される大型船には六〜七千個のコンテナ(長さ約十八メートル)が積まれ、生鮮冷凍品や飲料、米なども陸揚げされています」。東京港全体が見渡せる倉庫の屋上から港の説明を受ける参加者らは、その規模の大きさに驚き、「異国みたい」と感想をもらします。 続いてアメリカや南アフリカから輸入されたオレンジ、グレープフルーツ、レモン、バナナなどを扱う倉庫へ。「バナナは検疫で、ほぼ一〇〇%の荷物から虫が見つかるので青酸でくん蒸している。かんきつは防カビ剤のイマザリル、オルトフェニルフェノール(OPP)、チアベンダゾール(TBZ)などを塗らないとカビだらけになる」との説明に一同ビックリ。 視察後、全税関労働組合との交流では、「カビを防ぐ農薬が問題。厚労省の検査官は増えたと言っても全国で二百数十人ほど。農水省の防疫は八百人だが、それでもアメリカより少ない。コンピューター処理のため、港の現実はほとんどフリーパス。東京は一%も検査していないのではないか」との説明を受けました。 参加者は「虫の検疫は手作業と言っていた。それで全部検査できるのか?」「BSE、鳥インフルエンザで肉類は輸入が止まり、食べ物を輸入に依存することの危うさがよくわかった」と感想を述べていました。
(新聞「農民」2004.3.1付)
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[2004年3月]
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