青年部第12回総会地域に青年のネット広げよう農の魅力・やりがい 大いに語る「地域で青年のネットワークを広げ、各地で多様な取り組みを発展させよう」――農民連青年部は二月十四〜十五日、都内で第十二回総会を開きました。総会では、各地の実践を交えながら「地域で青年部をどうやって作っていくか」討論したほか、今年一月にインドのムンバイで開かれたWSF(世界社会フォーラム)に参加した菅井巌青年部長が特別報告しました。
農業を一生つづけたい総会では、農業の魅力とやりがいを語る発言が相次ぎました。 「畑にいるととても幸せ」と言うのは兵庫県の古跡真一さん(32)。二年前から無農薬で米と野菜を作っています。「まだ自給自足的ですが、作って、売って、収入を得て、子どもを育てていけるようにしたい。農業を一生続けようと考えているので、周りの人も巻き込んでがんばろうと思う」と意欲を語ります。
うれしかった消費者との交流静岡県の杵塚歩さん(24)は昨年六月、無農薬でお茶を栽培している実家に就農しました。「最近うれしかったことは消費者との交流」と言います。「大きくて立派な野菜でも、形が悪いと出せない。丸くてきれいなタマネギしかスーパーには出せないと知った消費者が、『買っているだけではわからない』と驚いていた。食べる人との交流が大切」と発言しました。 ミカンと野菜を生産している和歌山・紀ノ川農協青年部の井上達也さん(23)も「自分たちが有機栽培で作ったタマネギと、スーパーのものを食べ比べると甘さが違う。直接わかること、違いを感じることがやりがいや喜びにつながる」と話します。さらに「この喜びを非農家の人にも知らせると、農業に入ってきやすくなるのではないか。都会の人も視野に入れて高齢化で進む農地の減少に歯止めをかけたい」と語りました。 また、「ブタの丸焼きで百三十人の収穫祭を十五人の青年で開いた。青年部の規約に“結婚をめざす”がある。草刈りを青年部で請け負って活動資金にしている」(山形・渡沢寿さん)、「農業青年と合わせて野菜ボックスを届ける新婦人の若い会員さんを増やしていきたい」(奈良・小西徹男さん)、「農業ボランティアの若い女性がトマト一つ取るのに感動し、まるでテレビのウルルン滞在記のようだった。今後はいつ頃、何を手伝ってほしいのか、情報を発信していきたい」(山形・佐藤理恵さん)、「同年代が農業に入りやすくしたい。ライブやバンド活動、つり大会、農業のイメージを変えるTシャツを作るとか、農を織りまぜながら面白さを感じてもらい、楽しくやっていきたい」(和歌山・高橋範行さん)などの発言がありました。
自信をもってやっていこう二日目の特別講演で「インドで見たWSF・食糧主権は世界の流れ」をテーマに講演した菅井部長は、「現地で驚いたのは路上で生活する人の多さ。貧富の差が激しく、食べ物を求める人たちがたくさんいた。食糧主権を主張し、国民の権利を明記した法律がほしいと言っていた。世界では土地なし農民が多く、その農民が望む農地法が日本にはある。一方で、世界に誇るべき憲法九条がありながら、それを国民のために生かそうとしない政治が、日本にある。米改革に反対し、日本の食糧生産を発展させる私たちの運動の大義を確信した」と話しました。 一日目の夜に行われた農産物持ち寄りの懇親会では、「日本ほど農業条件に恵まれたところはない。私は自信を持って農業をやっているので、みなさんも自信を持って農業をやっていきましょう」「BSEでアメリカ産牛肉の輸入が止まったが、牛丼店は在庫を売り尽くした。政府は少なくとも在庫処分してほしかった」などの発言もあり、夜遅くまで交流しました。 総会では、農民連の笹渡義夫事務局長、日本共産党の紙智子参院議員があいさつ。活動方針を決め、新役員を選出するとともに、自衛隊のイラク派兵に反対する特別決議を採択しました。
(新聞「農民」2004.3.1付)
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[2004年3月]
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