「農民」記事データベース20040223-624-10

旬の味


 わが集落では一月から二月にかけて様々な行事が続く。一月七日の「左儀長」は正月に飾ったしめ縄などを燃やす行事。竹を数十本切り出して数メートルの高さに立て、その周りに竹の枝などを巻きつける。火入れは年男がやることになっている。今年は、私が火入れをした▼一月十一日には「山神講」。二月十五日は「天王講」。「山神講」は男たちが集まって酒を飲む。「天王講」は本来、女たちが餅をついて子どもたちに振舞う▼よく考えられた行事だなと感心する。しかし、こうした行事を続けることが難しくなっている。「左儀長」には相当の人が必要である。人集めのための日程調整が大変だ。二つの講も出席者を確保するために日曜日になった▼とくに残念なのは「天王講」で、餅をついても子どもたちが来ない。仕方なく、今は餅をつかなくなった。昔、餅をもらいながら、大人たちが酒を飲んで話すのを耳をそばだてて聞いた。大人たちが本当にたくましく見えた。面倒だからと行事をやめては、村が消えてしまう。「大人よ逃げるな」

(本)

(新聞「農民」2004.2.23付)
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2004年2月

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