「農民」記事データベース20040223-624-08

大曲農民組合 十文字の女性部

大好評! 名物のいぶり漬物

対面販売 秋田


昔あった本物の味ね 無添加だから安心よ

どうやって漬けるの? 秘けつはなあ〜に?

 スーパーで

 秋田駅前のイトーヨーカドーの入り口に、昨年十二月から週二回、大曲農民組合が店を構えて対面販売を始めました。名物のいぶりガッコを中心に、自分たちで作った野菜の漬物など三十品目が所狭しと並びます。

 寒風に揺れる「野菜の宝庫あきた松倉特産まつり」と大書きした赤いのぼり旗に引き寄せられ、お客さんが次々と立ち寄り、試食。味を確かめてから注文しています。なかには「むかし、樽でナタ漬けして、しがっこ(氷)張ったの食べたおいしさが忘れられね(な)くて、ここに買いにくるの」と、両手にガッコ(漬物)をいっぱい買って満足そうなご婦人も。

 「この柿漬け、珍しいこと。どうやって漬けるの?」「スーパーの味と違う。秘けつはなんですか?」「コンビニのは添加物がいっぱい。無添加のこの漬物なら安心」などなど、若い女性の買い物客も目立ちます。

 「人口甘味料や砂糖を使わず、米麹をたっぷり使った本物だからおいしいの。このナタ漬けは甘酒を使っています」と答える佐々木勝子さん。

 そもそもこの出店は、丸果秋田県青果の紹介で、秋田市中央卸売市場が毎年行う市場まつりのイベントに参加したのがきっかけでした。売り場は建物の外のため、凍るような寒さで、時々吹雪が舞い込みます。かじかむ手をこすりながら、佐々木さんは「寒くても休まず頑張ることが大切。でも物を売りに来ているのか、(デパートに)買い物に来ているのかわからない時も。帰りに孫におみやげを買っていくのが一番の楽しみ」とにっこり。

 冬場の漬物に続いて、夏は野菜を販売していく計画です。

(秋田県農民連 佐藤長右衛門)


 生鮮市場で

 十文字町の女性部も、大曲の女性部との交流で刺激を受け、さっそく漬物の原料になる大根、ナスなどの野菜を計画栽培し、秋から冬にかけて、紋漬け、いぶり大根など五種類のオリジナル漬物を作りました。

 真空パックは町の農産加工研究施設を活用し、JA秋田ふるさとの援助も受けて、顔写真付きのシールを張って売り出したところ、品切れ続出、注文をことわるほどの大好評です。

 十文字町から車で二時間かかる秋田市の生鮮市場の一部で、午前十一時から午後四時まで対面販売もしています。吉田友子さんと三浦れつ子さんは赤いハッピ姿でお客さんにアピール。吉田、三浦両夫妻は「まさか一年目からこんな販売ができるとは思ってもみなかった。思い切って実践してみることが大切だ」「漬物にすれば、野菜を全部活用できる。販売金額も魅力だ。今年はもっと作付け面積を増やしていきたい」と言います。

 いま、秋田は外は大雪。こたつを囲んでの“作戦会議”は熱がこもり通しです。

(新聞「農民」2004.2.23付)
ライン

2004年2月

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