「農民」記事データベース20040216-623-07

むかし石灰石採掘の跡地

島民の大切な水源池

愛媛・関前村


鳥のカネゲン湧水

 愛媛県関前村は、瀬戸内海に浮かぶ三つの島で成り立っています。その一つ、小大下(こおげ)島はわずか〇・九平方キロの小さな島。ここに、「カネゲン湧水」と呼ばれるため池(写真〈写真はありません〉)があります。実はこれ、石灰石の採掘跡地なのです。

 採掘は江戸時代に始まり、一九七二年に閉山しましたが、一時は日本セメント、アサノセメント、住友鉱山などの大手企業が立地したほどの盛況をみました。最盛期には百戸、三百人が住んでいましたが、今では三十戸、五十人あまりに減少。そのうち八十歳以上の人が半分を占め、小大下島は典型的な高齢化の進んだ過疎の島です。

 海面下まで掘り進んだ採掘跡地に水がわいてたまり、現在は水源池として利用。海底パイプによって隣の岡村島にも送られ、二つの島民の大事な生活用水になっています。満水時で一万トンの貯水が確保でき、夏でも枯れることはないそうです。

(四国ブロック編集協力員 大道法幸=愛媛・菊間農民組合)

(新聞「農民」2004.2.16付)
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2004年2月

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