「農民」記事データベース20040209-622-11

老人クラブや地域の人たち 手取り足取り作り方伝授

モグラたたき作ったョ

福岡・吉井児童たち


もう作物荒らさせない

 福岡県浮羽郡吉井町立の江南(えなみ)小学校で一月十三日、モグラたたき作りが行われました。

 モグラたたきとは、作物を荒らすモグラをびっくりさせ、追い出そうというもの。江南小学校では、このような伝統を途絶えさせないようにと、地域や老人クラブの人たちが子どもたちに教えています。

 ワラと縄があればオーケー。笹竹の葉のついた部分を折り返し、ワラと一緒に縄で巻き付ければいいのです。地域や老人クラブの人たちが手取り足取りで子どもたちに作り方を教えます。しかし、小さい子は力がないので、勢い老人クラブの人の出番となります。慣れた手つきで縄をきゅっきゅっと締め、はみ出た笹を切り取ると、猫じゃらしのようなモグラたたきの出来上がり。

 地面にたたきつけるときも、「腰を低くしとかんといい音はでらんばい」と声が飛びます。パーン、パーンという音が、青空に響き、このときに「十四日ぁのぉ〜モグラうち〜ぃ。ねぎだれ、こぎだれ、こきまわせ〜ぇ」と掛け声をかけます。「ねぎだれ、こぎだれ」というのは、家の周りの庭のことだそうです。

 昔は、ワラ葺きの家で雨の後、しずくが庭に落ちて、びちゃびちゃになったところにミミズがよくいました。そのミミズを食べにモグラが来たとか。昔の人の話は、かつての生活を知る上でも聞き逃せません。

(九州ブロック編集協力員 金子徳子=福岡・みのう農民組合)

(新聞「農民」2004.2.9付)
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2004年2月

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