長野・佐久楽農倶楽部発足から2年 ただいま急成長中です“おれも入りたい”――新年早々から入会者も「どしどし作って、どんどん売ろう」を合言葉に発足した「農民連佐久楽農倶楽部」は、今年二月で丸二年。会員は当初の四倍、約二百人になり、営農と暮らしを守る、頼もしいよりどころに成長しつつあります。
会員4倍、200人に生産も販路も広がり助け合ってみんな元気今年の仕事初めの日、佐久産直センターに年配のご夫婦が訪ねてきました。御代田町の市村春重さんと英子さんは「楽農倶楽部とやらに私らも入りたい」と言います。聞けば水田六十アール、畑は四十アールほど。「楽農倶楽部を知っていたら、六十俵くらい出した。今年は変なところに売ってバカを見た」と語っていました。一月二十日には、第三回総会を開催。この一年は、会員が急速に増え、様々な分野でもの作りが拡大、売り先も広がりました。そのなかで会員同士の助け合いが深まり、役割分担も進んで、組織として一段としっかりしてきたと思います。
「殿様ねぎ」の大生産者集団今年の「殿様ねぎ」のとりくみは、百一人が参加して約二十トンを出荷。昨年が三十三人で五トンだったことと比べると、出荷量で四倍という大きな前進です。ネギの市況が暴落するなかで、一キロ百七十円を超えた手取額は、一般の農家には信じられないことでした。 地域ごとの班長さんと事務局が中心になって部会を運営しています。「みんな燃えて燃えて、このままいけばどうなることか心配した」と、ネギ部会事務局長の土屋晴信さん。同時に「何よりの収穫は、病気になった人のネギを掘ってあげたり、助け合いが生まれたこと」と言います。
トウモロコシ「きぼう」38%増農民連ブランド「スーパースイートきぼう」には四十四人(前年三十三人)がとりくみ、約六千箱出荷して(前年比一三八%)、平均単価は九百十九円(同一〇八%)、着実に前進しました。 神田青果(大田市場)や大宮、上尾など、この間、農民連と提携・協力してきた市場の好意的な対応で、比較的よい値段で売れたことは特筆に値します。また、産直センターが大型予冷庫を設置してくれたことで、鮮度保持の面で安心して出荷できました。
農民連地産コーナー大ヒットスーパーマツヤの小諸店と小諸インター店に、六月と八月から「農民連コーナー」がオープン。これが本年の一大ヒットです。 マツヤから農民連に提携を求められ、佐久産直センターが窓口になり、説明会を開催。出品者は「楽農倶楽部」に入って登録することにしています。現在約百人、ジャンコードが間に合わず、登録待ちの状態です。 新鮮、完熟、おいしいということでお客がつき、売り場は大繁盛。マツヤにとっても、生産者にとってもかけがえのないコーナーになっています。 「オレはたいした百姓じゃないよ」と笑う武井勝利さんは、それでも十五種類くらいの野菜を出しました。「今はキビとか自家用のダイコン、イモ、ネギなど。大した収入にならないけど、オレのだと知って買ってくれるお客さんもいる。地産地消でやろうという仲間をもっと増やしたい」と抱負を語ります。
準産直米増産目標にも展望農民連の準産直米運動は、過去三年間、佐久地方の三団体が協力して集荷し、毎年千俵前後出荷してきました。しかし今年は、米の検査が民間に移行し、産直センターが検査員を養成・配置したことで、「楽農倶楽部」に一本化しました。 米部会役員会は何回も話し合いを重ね、(1)米不足につけこんだ高値売りはせず、お互いに納得できる価格で販売し、来年以降のルートをつくる、(2)小売店向けに販売し、店頭での対面販売を通して「佐久の米はうまい」ことをわかってもらうことを確認。全力で集荷にとりくみ、二千四百俵を達成して、来年度一万俵、再来年度二〜三万俵の大目標を展望できる土台を築きました。 政府はいま、「米改革」をはじめ、“ものを作らせない”政治を推し進めています。しかし、農家の心の中に燃えさかる生産への意欲をかきたて、地域のもの作りを守っていきたいと思っています。
(新聞「農民」2004.2.9付)
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[2004年2月]
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