「きくまの民話と伝説」愛媛県菊間町
鬼の楽園うちらの住んどる伊予の菊間はなあ、鬼の楽園ぞい。鬼とゆうても、節分の日に出て来る鬼じゃけんどがの。 どしてかゆうと、ニッポン中どこいいても豆まきの掛声は、 「福は内、鬼は外。」………と、鬼はきらわれもんときまっとる。 しゃあけんど、うちらとこの節分の掛声はちょいと違う。それはのおぅ。 「福は内、鬼も内。」ゆうんぞ。おみゃあ、どう思や! 菊間はなんちゅうても瓦の町じゃけん、鬼瓦もぎょうさんこと作るじゃろう。ほじゃけん、豆をぶつけて鬼を追い出す訳にゃいかん。大事にせないかんのじゃ。 ほいで誰ともなしに、 「福は内、鬼も内。」とゆうようになったんぞ。 その内みよってみいや、菊間の町は、どこもかしこも、ニッポン中の鬼が集まって来て、そこいらで鬼ごっこが始まるんじゃなかろか? のおぅ。 (「きくまの民話と伝説」から。話者は部落の人たち)
(四国ブロック編集協力員 大道法幸=愛媛・菊間農民組合)
(新聞「農民」2004.2.2付)
|
[2004年2月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2004, 農民運動全国連合会