アメリカBSE“今後発生しない保証なし”日本の調査結果
感染牛に給与された肉骨粉 広範に流通「今後、アメリカにおいてBSEが発生しないという保証はない」――アメリカのBSE問題で現地を調査した農水・厚労の両省と食品安全委員会の調査団は、こう結論付けました。その理由は、(1)BSE感染牛に給与されていたカナダ産の肉骨粉が、アメリカに輸出され、かなり広範に流通している、(2)アメリカとカナダでは、肉骨粉を含む飼料、家畜などが相互に流通している、(3)アメリカでは牛以外の動物への肉骨粉の給与は禁止されておらず、飼料工場などで牛用の飼料に混じるおそれがあるとしています。 しかもアメリカは、と畜する牛の〇・〇六%しかBSE検査を実施していません。と畜場で全頭検査し、肉骨粉は全面禁止、トレーサビリティも整備している日本の安全対策と、アメリカのそれとは大きな隔たりがあることが確認されました。 しかしアメリカは、日本の対策を“過剰反応”などと決めつけて、日本にアメリカ産牛肉の輸入を再開するよう強力な圧力をかけてきています。これに押されて、亀井農相はベネマン農務長官との電話会談で、輸入再開に向けた協議を約束。 一月二十三日に開かれた日米協議では、アメリカ側から追加的な安全対策は提案されず、「全頭検査など同等の対策」を求める日本側との話し合いは平行線に終わりました。しかし、今後もアメリカは執ような圧力をかけてくるものと見られ、「危険なアメリカ産牛肉は輸入させない」監視の目を強めていく必要があります。
(新聞「農民」2004.2.2付)
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[2004年2月]
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