2004年国際コメ年記念シンポ「おコメ、私たちの命」東京で3氏講演
木 村さん(日本委員会会長) 米は世界一の食材 「米は命」というスローガンで国連が提唱する「国際コメ年2004」。それを記念するシンポジウムが一月二十日、東京で開かれました。国際コメ年日本委員会、国連食糧農業機関(FAO)日本事務所、農水省の主催。八百人が参加しました。 日本委員会会長で東京大学名誉教授の木村尚三郎氏、FAO上席専門官のダット・バン・トラン氏、俳優の菅原文太氏が講演。その後、会場からの質問に答えて、三氏がやりとりしました。 世界の米事情を説明したトラン氏は、「九〇年代以降、米生産量の伸びにかげりが出ており、二〇〇〇年以降は消費の伸び率を下回っている。これから三十年間で、米生産量を五億八千万トンから八億トンに引き上げる必要がある」と指摘。米つぶしを進める日本の「米改革」が、世界の流れと逆行していることが明らかになりました。 さらにトラン氏は、三十三カ国、三十億人以上が米を主食にしているとして、インドネシアの稲の女神や、ベトナムでもちまきを作って旧正月を祝う風習があることを紹介し、「文明の発達の源に米生産がある」と述べました。 菅原氏は、自身のラジオ番組で「地べたにはりついて仕事をしているお百姓さんを登場させたところ、名のある文化人よりも反響があった」ことを紹介。「小泉さんの『農業改革』のかけ声以前に、がんばっていい米づくりをしている人はたくさんいる」と述べるとともに、「牛どん屋やマクドナルドに並ぶのはやめよう。お弁当を食べよう。そういう大人の姿が子どもたちにいい影響を与える」と、参加者に呼びかけました。 木村氏は、世界的に日本食がブームになっている例を挙げながら、「米は世界一すぐれた食材だ」と強調。「今、地産地消による、その土地ごとの新しい郷土料理を作り出していくことが大事だ」と訴えました。
コメ年日本委設立農民連も構成団体同日、開かれた「国際コメ年日本委員会」の設立総会(写真〈写真はありません〉)では、会長に木村尚三郎氏を選出。副会長には、東久雄氏(馬事文化財団理事長)、嵐山光三郎氏(作家)、井上ひさし氏(作家、劇作家)、生源寺眞一氏(東京大学教授)、富山和子氏(評論家、立正大学教授)の五氏が選ばれました。木村氏は「飢餓の克服に稲作ほど適したものはない。水田の美しさは日本人の心の原点であり、工業のち密なセンスも稲作で培ったもの。稲作がダメになれば工業もダメになる」とあいさつ。富山氏は「国民の食料は可能な限り、自国でまかなうのが地球を守るエチケットだ」と述べ、嵐山氏は米輸入自由化に「断固反対」して以来続けている「ごはん党」のとりくみを紹介しました。 委員会は、農業団体や消費者団体、自治体、個人などで構成。農民連も会員になっています。今後、全国四カ所でシンポジウムを開くほか、関連した多彩な行事を各地でとりくんでいく予定です。
(新聞「農民」2004.2.2付)
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[2004年2月]
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