「農民」記事データベース20040112-618-03

対 談

活動の原点は現場の声聞く

日本共産党衆院議員 高橋千鶴子さん

農業の発展に力を合わせて

農民連会長 佐々木健三さん

 先の総選挙で初当選をかちとった日本共産党の高橋千鶴子衆院議員。農水委員会を担当することになりました。高橋議員と農民連の佐々木健三会長に農業の未来を切り開くたたかいについて語り合ってもらいました。


 佐々木 新年おめでとうございます。昨年は見事、厳しいたたかいを勝ち抜かれました。

 高橋 ありがとうございます。前任の松本善明さんは、東北に来てよかったとよくおっしゃっていました。農業を守らなければ東北の経済は成り立たないと、必死にたたかってきた先輩の思いを引き継いで、私もがんばりたいと思います。

 がんばる農家を応援する政治を

 佐々木 選挙戦をとおして東北の各地を回られたと思いますが、どんな印象を持ちましたか。

 高橋 本当にたいへんな状況のなかで農家が一生懸命がんばっている、それを応援する政治がどうしても必要だというのが実感ですね。

 とくに昨年の冷夏で、仙台では痛んでどうしようもないキャベツを見て、それでも農家の「いっさい共済の対象にならない。処分するしかない」という話に、胸がしめつけられる思いでした。

 また、福島ではイモチ病にやられた稲がススキのように見えて、それは衝撃でした。それから「前の借金が終わっていないのに冷害にやられ、とてもやっていけない」と言う桃農家。「国はいったい何をやっているんだ」と怒りがこみ上げてきました。

 佐々木 そうですね。桃農家はおそらく例年の三分の一くらいの収入でしょうか。農業は本来、自然相手の仕事ですから絶えずそういう危険を背負っています。それなのに財界や政府は、工業製品と同じように効率性を求め、安ければよいと輸入を増やしています。腹が立ちます。

 日本共産党とおなじ意見だ

 高橋 そういうなかで共産党の農業政策に対する共感、期待の声もたくさん寄せられました。

 農協もかなり回ったんですが、初めは「担い手に集中しないとやっていけないよ」と言っていた人が、話していくうちに「食糧主権はきっちり主張しなきゃダメだ」とおっしゃいます。「米を犠牲にして、国民の主食を手放していいのでしょうか」と問いかけて、お話をすると、福島の中央会の方は「やっぱり共産党と同じ意見だ」、宮城の農協の方からは「共産党が他党を引っぱっていってくれ」と言われました。

 それから青森では昨年、十年前と同様、米の冷害とリンゴの台風被害がぶつかりました。そのうえ政府はリンゴの価格補償制度を改悪しようとしており、農家は戦々恐々としています。私の大先輩、青森出身の国会議員の津川武一さんは「米とリンゴと出稼ぎ者を守れ」と大奮闘されましたが、「津川さんのようにがんばってください」という激励をたくさんいただきました。

 将来見えぬと模索する農協

 佐々木 農協中央は農業つぶしの加担者になりつつありますが、現場に

近い農協では、それでは将来が見えないと、別の道を模索しています。

 ところで今、私がとても心を痛めているのは青年の就職難の問題です。青年が将来に希望を持てない状況が広がっています。

 高橋 そうですね。私は高校の教師をしていたんですが、その頃は今と違って求人票の整理に大わらわでした。そういうなかで生徒が自分の可能性を見つけていく。進路指導はたいへんな仕事ですが、やりがいがありました。

 ところが今は、小泉首相自身、「選り好みしなければ仕事はある」みたいなことを言って、責任を青年に押しつける。これは絶対に許せません。

 佐々木 私のところに毎年、夏休みになると東京から高校生が農業実習に来ます。牛に触れ、牛の世話を生き生きとやる。私は、子どもの成長や教育に果たす農業の役割は大きいと思っています。

 高橋 農家もそうですが、“ものづくり”を支えている人はかっこいいですよね。そういう人たちと接することは、必ずその後の人生の大きな力になると思います。

 日本農業の未来切りひらくには

 佐々木 最後になりますが、これからの抱負を聞かせてください。

 高橋 私が県議だったとき、BSEの問題が発生して農協に調査に行きました。そうしたら理事会に出てくれと言われ、そこで聞いた農家の声を県議団でまとめて県交渉をやりました。それがマスコミにも大きく取り上げられたんです。私の活動の原点は、“現場に聞く”“現場と連帯してたたかう”ことです。国会でもこのスタイルを貫きたいと思っています。

 それから今年は参議院選挙があります。財界に牛耳られた二大政党の悪政を許すのかどうかが問われる大事な選挙です。ここで共産党が一つでも多くの議席を取ることが、日本の将来と農業の未来を切り開くことにつながると思います。

 佐々木 私たち農民連も国会の内と外で協力しあって、農業を守り、発展させるためにがんばりたいと思います。ありがとうございました。


おわびと訂正12月15日号一面、安達絹恵さんの話で「横浜市のすべての学校給食」とありますが、「三百六十一校のうち二百十八の学校給食」の間違いです。おわびし、訂正いたします。

(新聞「農民」2004.1.12付)
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2004年1月

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