松尾佐知子のやっぱりごはん(月2回掲載)
年の瀬は掃除に年賀状書き、みそ作りにおせちと、目の回るような忙しさ。でもこの緊張感をひとつひとつこなしていくのが快感である。どうせやるなら楽しまなきゃ! 毎年、おせちを十軒以上から頼まれる。「壱の重」は黒豆や田作りなど伝統のもの。「参の重」は煮物。八ツ頭、くわい、はすだんご、梅人参など彩りよく、それぞれの味を生かして煮るのがコツ。そして、悩まされる「弐の重」は酢のものとごちそう。毎年、築地市場に行ってから献立を決めるのでハラハラドキドキものだ。昨年は北海道の厚岸(あっけし)から取り寄せたカキのオイルづけが好評だった。 今年は新たに近所の一人暮らしの方や、糖尿病の方から注文されてしまった。市販のものは味が濃すぎて食べられないし、作るのはしんどいとのこと。それにしても、あのスーパーに並ぶおせち料理の数々、みんな買って食べているのだろうか。せめて心をこめて作ったこだわりの一品「我が家の味」があればいいと思うのだが。 かくして私は、暮れの三日三晩、手と火と鍋をフル回転し、台所に入りっぱなし。大晦日の夜、できたてのおせち料理を夫といっしょに車でみんなの所へ届けることを楽しみにしながら。そして、今年出会った多くの人たちに感謝しながら。 (管理栄養士)
海の幸、山の幸に感謝しておせちの箸やすめに松前大根
(新聞「農民」2003.12.22付)
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[2003年12月]
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