イラクに自衛隊を派兵するための「基本計画」の 強行に抗議し、派兵中止と、国連の枠組みによる 人道支援に切り換えることを要求する決議
二〇〇三年十二月十日 農民運動全国連合会全国委員会
関連/年内に百万の署名首相に抗議の声を
政府は九日、イラクに自衛隊を派兵するための「基本計画」を閣議決定しました。
世論調査では、イラクへの自衛隊派兵に反対する声は、国民の八五%に達しています。こうした国民の声を踏みにじって「基本計画」を強行した小泉内閣と与党である自民党、公明党に満身の怒りをこめて抗議するものです。
先般、イラクの日本大使館の外交官二人が殺害される事件が引き起こされました。これは、戦闘状態がエスカレートしているイラクをめぐる状況がいかに悪化しているかを示しています。
こうしたなかで自衛隊をイラクに派兵することは、イラク国民にとっても、日本国民にとっても取り返しのつかない災いをもたらす最悪の選択です。
また、「イラク特措法」をめぐる国会審議で政府は、「安全な地域での自衛隊の活動は憲法第九条が禁じる武力行使にはあたらない」と詭弁を弄してきました。
しかし、今日のイラクをめぐる事態は、安全どころか戦闘状態そのものであり、政府自身の答弁からも逸脱する明白な憲法違反です。
イラク問題の解決のために今、重要なことは、一日も早く米英の占領支配をやめ、国連中心の枠組みによる人道支援に切り換え、そのもとでイラク国民に速やかに主権を回復することです。
このままイラクに自衛隊の派兵を強行するなら、日本の軍隊が戦後はじめて他国の領土で他民族を殺害するという道に日本を引き込むことになります。
恥ずべき戦闘と占領への本格的加担か、憲法九条を生かした平和の道を選択するのか――今、まさに歴史の重大な岐路に立っています。
「イラクに自衛隊を送るな」「憲法九条を守れ」の国民的世論と運動を広げ、政府に自衛隊の派兵を断念させるまで、断固、たたかうものである。また、広範な平和を願う国民と連帯し、宣伝、署名、デモ、集会などあらゆる行動を全国津々浦々から巻き起こすために全力をあげるものです。
右、決議する。
年内に百万の署名首相に抗議の声を
「イラクに自衛隊を送るな!」「憲法九条を守れ!」――十二・一〇中央集会が都内で行われ、七千人が参加。小泉内閣が九日、決定した自衛隊のイラク派兵のための基本計画に抗議し、反対の運動を広げる決起の場となりました。
農民連も、同日と翌日、都内で開かれた全国委員会の参加者が集会とデモ行進に参加(写真〈写真はありません〉)。集会ではアピールを採択し、小泉首相に抗議の声を集中し、年内に百万筆の署名を集めることなど、行動提起が行なわれました。
(新聞「農民」2003.12.22付)
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