「農民」記事データベース20031215-615-11

旬の味


 先日、孫たちが高畑勲監督の「火垂るの墓」のビデオを見ていた。何気なく目を移して驚いた。戦争の現実、怒りや悲しみをあまりにもリアルに描き出していたからだ。母の死、残された妹の無邪気な姿が胸を締め付ける。そして食糧難。自分たちが生きるために他人を思いやる余裕さえ失っている人々。戦争はこういうものだとの告発に心が揺り動かされ、画面を直視さえできない▼二重写しになったのはイラクの人々。今、この瞬間にも物語と同じ境遇におかれている人たちがいる。戦渦に追われ、自分たちの日常生活さえ取り戻せないでいる人々。子どもたちはどうしているのだろうか▼アメリカのイラク攻撃が何の説得力もなく、無法なものであることが明らかになっているのに、小泉政権はどのようなことが起こっても自衛隊派遣の姿勢を崩そうとしていない。何が何でも日本を戦争国家にしてしまおうということだろう▼日増しに高まる自衛隊派兵反対の声は日本の良識の声だ。子どもたちに同じ思いをさせないためにも、派兵を断念させよう。

(白)

(新聞「農民」2003.12.15付)
ライン

2003年12月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2003, 農民運動全国連合会