この人お金よりの人生を大切に山口県農民連の新専従 世良輝久さん(53)
見た目は三十代後半。落ち着いた話ぶりで、実際の年齢がわかります。十一月から山口県農民連の専従になり、車で七〜八分のところにある玖珂町の事務所に週四日通っています。 今年五月、周東町の実家にUターン。八十一歳になるお父さんと一緒に農作業するかたわら、退院したばかりのお母さんに代わって家事いっさいを引き受けます。 「いま畑に植えているものは、玉ねぎ、そら豆、えんどう豆、絹さや、チンゲン菜、大根、人参、かぶ、パセリ、サニーレタス、春菊…。農協の百円市に出し始めました。農業は一生懸命やっただけいいものができる。逆にサボると絶対にダメですね」 教職につく奥さんと、四人の子ども、二人の孫は、東京に在住。末っ子の成人を機に、早期退職し単身で帰郷しました。 「長男ですし、いつかは帰って農業をやろうと思っていたんです。定年してからとも考えましたが、親も高齢だし、私自身の体力も心配で。誤解がないように言うと、夫婦仲はいいですよ」 十八歳で上京し、都立学校の事務職員として勤務。労働運動をしながら全国学童保育連絡協議会の副会長も務めました。 「子どもに継がせたい気持ちはありますが強制はしません。私は田舎で育ったから田舎で暮らしたいと思いますが、子どもは違いますから。今はケ・セラ・セラ、なるようになるです」 「お金よりも人生を大切にしたかった」という世良さん。農民運動については、「いろんなことを議論して決めていくことが大切。個人で背負ってしまうことがたくさんあるけど、もっと情報を共有していけたらいい」と語っていました。 (N)
(新聞「農民」2003.12.8付)
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[2003年12月]
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