「農民」記事データベース20031208-614-07

信州の「伝説のもち」白毛餅

懐かしい味 今年もどうぞ

上伊那農民組合産直センター


いま地元小学生が体験学習で継承

 信州・伊那谷にだけ伝えられてきたおいしい「白毛もち米」。モミに白い毛状の長い芒(ぼう)がついているのが特徴です。農家はこれでお餅をつくり、その味を子孫に伝え、種子を家宝として代々守ってきました。

 しかし白毛もち米は、稲の背丈が約百三十センチと長いため風雨で倒れやすく、収量も一般米の約七〜八割程度と少ないので、農家泣かせのもち米です。販売用として大量に作ることができず、その家々だけで食べられてきました。

 その後、機械化と多収穫の波が押し寄せると、白毛もち米を栽培する農家は激減、品種絶滅の危機に立たされました。そこで立ち上がったのが、上伊那農民組合です。

 私たちは九七年に白毛もち米の栽培を復活し、毎年、減農薬・減化学肥料で作り続けています。今年は、十四人の生産者が七ヘクタールの田んぼで五百俵を収穫。加工して「白毛餅」として販売すると「おいしいお餅」と大好評で、地元小学校の体験学習にも取り入れられました。(写真〈写真はありません〉

 白毛餅は、コクのあるうまみとよい香りが特徴。これは、このもち米が古代米だからだと言われています。私たちは、「先人たちが守り続けてきた味と種子を絶やしてはならない」という思いを胸に、白毛もち米の栽培にとりくんでいます。

(上伊那農民組合 飯島光豊)

(新聞「農民」2003.12.8付)
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2003年12月

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