「農民」記事データベース20031201-613-11

東京・国立劇場

歌舞伎と文楽の公演


 東京・千代田区の三宅坂にある国立劇場。一九六六年に開場した校倉(あぜくら)造りの外観、大劇場(客席数一六一六)と小劇場(客席数五九四)があります。ここでは歌舞伎や文楽など日本の古典演劇を中心に上演しています。十二月は歌舞伎(大劇場)と文楽(小劇場)、文楽鑑賞教室(小劇場)が上演されます。

 歌舞伎=通し狂言「二蓋笠柳生実記」(にかいがさやぎゅうじっき)。小説やドラマでおなじみの剣豪・柳生又十郎の半生を描いた作品で、東京では半世紀ぶりの通し上演となります。徳川三代将軍家光の剣術指南・柳生但馬守の三男として生まれた又十郎は、許されぬ恋の末、諸国を巡り武者修行を重ねます。そして、木曽山中に隠棲する磯端萬蔵からの真影流極意の一巻を伝授されます。江戸に帰ってきた又十郎は、大久保彦左衛門の協力を得て、家光の前で父・但馬守と試合をすることになります。スピーディーに展開される物語は変化に富んだ充実した内容です。又十郎に尾上菊五郎、萬蔵に中村冨十郎、彦左衛門に沢村田之助と三人の人間国宝が共演するのも話題です。

 文楽=「ひらかな盛衰記」。源義経の木曽義仲討伐から一の谷の合戦までの史実を背景に、「源平盛衰記」をもとにわかりやすく描いたもの。一七三九年(元文四年)に大阪竹本座で初演。立作者文耕堂の晩年の作品。主人公は梶原源太景季と樋口次郎兼光の二人。全五段のうち今回は三段目、樋口の物語です。「大津屋の段」から「逆櫓(さかろ)の段」までの上演。浜辺の大立ち回りなどみどころ十分です。出演は豊竹英大夫(義太夫)、鶴澤燕二郎(三味線)、桐竹勘十郎・吉田玉女(人形)ほか。

 文楽鑑賞教室=楽しい舞踊の「団子売り」と、大阪の市井に生きる男と女の生きかたと意気地を描いた「夏祭浪花鑑」(なつまつりなにわかがみ)。「釣船三婦内の段」と「長町裏の段」を上演。「長町裏の段」では高津宮の祭りばやしを背景に繰り広げられる大立ち回りがあり、文楽ならではの迫真の舞台が楽しめます。出演者はA・Bプロに分かれています。

(鈴木太郎)

 *歌舞伎公演=12月3日〜26日、正午開演(午後4時半の日もあり)。12000円(特別席)〜2500円(二等席)
 *文楽公演=12月4日〜16日、午後5時開演(日曜のみ正午)、5000円(1等)・4400円(2等)
 *文楽鑑賞教室=12月4日〜16日、午前11時・午後2時開演(日曜のみ午後5時)、一般・3300円、学生・1300円
 連絡先=国立劇場チケットセンター=03(3230)3000

(新聞「農民」2003.12.1付)
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2003年12月

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