学校祭で“食”を調べ楽しんだ
福島県立川俣高校
本校の学校祭は三年に一度の公開です。今年は十月四、五の両日に開かれました。三年生のわがD組も初めての行事。展示を何にしたらいいか、夏休み中に決めて資料集めが始まりました。テーマは「3D食ing」。身近な食について考えようというねらいです。
老舗で特訓受けクッキー手作り
農民連の大豆で豆腐づくり実演
調査は「調べ隊」が担当。生徒の食事の様子や好き嫌い、コンビニの利用状況、先生方の思い出の食べ物についてアンケート。年配の先生の思い出に「ごちそうはゆで卵」などと記されていて、生徒なりに当時の食糧事情を想像したようでした。
「集め隊」は、地元町村の特産品や商品見本・パネルなどを展示。「調べ隊」の力も借りて町村クイズを実施し、全問正解者に景品として、特産の「二十世紀梨」や手作りクッキーをプレゼントしました。
「つくり隊」は、茶店「茶々丸」で出すクッキーを手作り。このうち、「榧(かや)の実クッキー」は創業百年以上の地元の菓子舗に出向き、特訓を受けて作ったもの。また、「桑茶」と「フェアトレードコーヒー」を、川俣町農業公社と福島農民連の「Sanchoku Cafe」から無償で提供してもらい、学校から数キロ離れた山中に湧き出す「長寿泉」の水を早朝くんできて、いれました。
さらに、農民連の会員さんから借りた袋入りの大豆を展示しましたが、「それだけではおもしろくないのでは?」とのアドバイスを受け、豆腐づくりを実演。「家庭でできる簡単な豆腐づくり」と題して、福島農民連の佐々木智子さんに来てもらい、生徒も手伝いました。大豆を煮るにおいがたちこめ、出来上がった豆腐は、豆本来のほのかな甘みがあって大好評。最後に作ってもらった豆腐は翌日、「打ち上げ」の豚汁でいただきました。
この展示は生徒会から「銀賞」をもらいましたが、「なんで金賞じゃないの?」とくやしがる生徒も。また、「みんなと一緒になって一生懸命できたのでうれしい」「みんなが一つになってとった賞を一生の宝にしたい」といった感想が寄せられました。
(福島県立川俣高校教諭 高橋 聡)
(新聞「農民」2003.12.1付)
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