<関東ブロック交流集会>地域の生産を掘り起こすには…多様な経験出し合う
地域農業を守る視点で小さな農家にも光をあて、地域の生産を掘り起こそう――十一月十八日から二日間、群馬県利根村で開かれた「農民連関東ブロック秋季研究交流集会」には九十六人が集い、三十人が生産点などでの貴重な経験を報告し、交流しました(写真〈写真はありません〉)。 集会では、JA甘楽富岡営農事業本部長代理の吉田正一さんが「地域の生産を掘り起こした実践」をテーマに記念講演。 JA甘楽富岡は九六年に地元直売所などを立ち上げ、百八品目の自給的農作物発掘と「営農プラン」の提示やプロ生産者がサポートするアドバイザリー活動などで、定年帰農者や女性の参画を促進しています。「生きがいを体感し、作った物をどうお金に換えていくか、JAと生産者の心の通い合う産地作りをすすめている」と吉田さん。自由化でコンニャクと養蚕が大幅に落ち込むなか、少量多品目の売れる作物創出と売り場作りを同時に進め、販売額を伸ばしてきた経験を報告しました。 続いて長野・佐久産直センターの土屋浄さんが、昨年五十人で発足して以来、間もなく百八十人を超える勢いの佐久楽農倶楽部の取り組みについて「作りたい、作りやすい物を大事にし、百姓が教え合うなかで発展してきた」と特別報告。産直の狭い枠に閉じこもらずに、地域農業全体を視野に入れた取り組みの大切さを強調しました。 討論では、「堆肥舎へ不当な課税に勝利したが、県は堆肥施設でも場合によっては家屋とする基準を作った。農水省の通達も活用しながら、すべての堆肥施設の課税をやめるよう求める」と群馬県連の住谷輝彦さん。 茨城県連の吉川路子さんは「一支部一直売所の取り組みは、女性が出てこなければ踏み出すことはできない。一歩前に出る農民連を作っていきたい」と発言。また、体に良くておいしい野菜作り、堆肥作り、遺伝子組み換え作物を許さないたたかい、価格保障と果樹共済の実現、ネットを通じた多様な販売の可能性と実践などについて発言がありました。 集会では、全国連の笹渡義夫事務局長が、選挙後の情勢と食糧主権を求める世界の大きな流れについて報告。開催地の利根村の星野健一村長が「荒れる農地が増えるなかで、農民連が組織として力を合わせて展望を切り開くのは良いこと。私はリンゴ農家ですが、いろいろな問題の展望を考えていただければと思います」と挨拶しました。
(新聞「農民」2003.12.1付)
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[2003年12月]
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