「農民」記事データベース20031124-612-10

旬の味


 冬を目前に白鳥が飛来している。最上川の河口はここ数年「日本一の飛来地」として知られる▼夜が明けると白鳥は数十羽のグループごとに飛び立ち、付近の水田に降りて「落穂ひろい」を始める。農業機械の効率化が進み、コンバインの脱穀の性能も上がったが、スピードを重視するあまり、「落穂」を落とす機械もあるようだ▼いま地域では「市町村合併」が議論されている。国では期限を定め、合併特例の「毒アメ」をぶらさげ、熱心に指導している。農民の間では、合併を進めてきた農協の姿を見て、「不便になるのは間違いない」とささやかれている▼合併しない農協を訪問した。組合長は合併問題について「大きくなるだけがよいことか。世界の流れも強いものへの一極集中でよいのか。大変疑問だ」という▼「効率化」「スピード」「合併」など、財界人の好きな言葉は「要注意」だ。財界からの政治献金を「喜んで頂く」という小泉首相。「農業鎖国発言」にみられる、国民の食と農業を「落穂」にしようというたくらみは許されない。

(巌)

(新聞「農民」2003.11.24付)
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2003年11月

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