「農民」記事データベース20031124-612-09

松尾佐知子の

やっぱりごはん

(月2回掲載)


 息子の大学で開かれた学園祭の模擬店でおでんを作った。医療系の大学なのに一昨年、昨年とあまりの料理の貧しさにうんざりし、今年はとうとうのりこんだわけだ。

 家庭科室で若い人たちとそれぞれの料理の仕込みを開始。ところが彼らが料理の本を見ながら作っているチジミはまっ黒。床をまっ白にしているのは白玉だんご。水から豚肉を入れて煮たためにアクだらけの豚汁。私はチラチラ見ながらおでんのだしをとっていた。

 「すみませんが米の水加減みてくれますか」、「米一升って何リットルでしたっけ?」と声がかかる。「おいおいそれくらい知っておけよ」と言いたいところを抑えて、ていねいに教えた。

 米の水加減は同量から二割増しまでが適当。カレーや寿司のごはんは固めがいい。炊飯器についている計量カップは180mlで一合。一合は約140g。七合では約1kg。ちょっとこんがらがるけれど覚えておくと便利。ついでに炊き込みごはんは、水を充分吸収させたあと、炊く前にしょう油や塩を入れるのがコツ。早く塩分を入れると米がしまって、ふんわりと炊けず、シンのあるごはんになってしまう。

 だしのきいたおでんは好評のうちに売り切れた。

 毎日の食事で健康な日々を送るために、若い人たちに本物の味を伝えたいから、来年もまた大きな鍋をかかえて、“おせっかいおばさん”をすることだろう。

(管理栄養士)


この味、この香り、日本人でよかった

とりごぼう炊きこみごはん

〈材料4人分〉
米…………3カップ
だし汁……3カップ
しょう油…大さじ2
酒…………大さじ2
とり肉……100g→細かく切り酒、しょう油少々ふっておく
ごぼう……1本→ささがきにする
油あげ……1枚→せん切りにして油をぬいておく
人参………1/2本→せん切りにする
しめじ……1パック→石づきをとり、ほぐして熱湯をかける
〈作り方〉
(1)米をといで、30分間ザルにあげておく
(2)炊飯器に米、だし汁、調味料、具を入れ、スイッチON
(3)炊きあがったら、大きくかきまぜ水分を飛ばしてできあがり
★献立は、おでん、ほうれん草のごまあえ
(新聞「農民」2003.11.24付)
ライン

2003年11月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2003, 農民運動全国連合会