松尾佐知子のやっぱりごはん(月2回掲載)
息子の大学で開かれた学園祭の模擬店でおでんを作った。医療系の大学なのに一昨年、昨年とあまりの料理の貧しさにうんざりし、今年はとうとうのりこんだわけだ。 家庭科室で若い人たちとそれぞれの料理の仕込みを開始。ところが彼らが料理の本を見ながら作っているチジミはまっ黒。床をまっ白にしているのは白玉だんご。水から豚肉を入れて煮たためにアクだらけの豚汁。私はチラチラ見ながらおでんのだしをとっていた。 「すみませんが米の水加減みてくれますか」、「米一升って何リットルでしたっけ?」と声がかかる。「おいおいそれくらい知っておけよ」と言いたいところを抑えて、ていねいに教えた。 米の水加減は同量から二割増しまでが適当。カレーや寿司のごはんは固めがいい。炊飯器についている計量カップは180mlで一合。一合は約140g。七合では約1kg。ちょっとこんがらがるけれど覚えておくと便利。ついでに炊き込みごはんは、水を充分吸収させたあと、炊く前にしょう油や塩を入れるのがコツ。早く塩分を入れると米がしまって、ふんわりと炊けず、シンのあるごはんになってしまう。 だしのきいたおでんは好評のうちに売り切れた。 毎日の食事で健康な日々を送るために、若い人たちに本物の味を伝えたいから、来年もまた大きな鍋をかかえて、“おせっかいおばさん”をすることだろう。 (管理栄養士)
この味、この香り、日本人でよかったとりごぼう炊きこみごはん
(新聞「農民」2003.11.24付)
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[2003年11月]
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