「農民」記事データベース20031124-612-08

千葉・多古町旬の味産直センター

フランス視察 漂った味噌汁の香り

味覚教育とレンヌ有機祭りに参加

 多古町旬の味産直センターは十月十日から十七日まで「フランス味覚教育視察」を行いました。農家を訪問し、農家民宿に泊まり、味覚教育を体験。あわせて十二日にフランス北西部の都市レンヌで開催された「BIO(ビオ)見本市」に特別参加しました。


おにぎり・きな粉パン・地酒も展示

 この見本市は、レンヌ近郊で有機栽培を行なっている農家や、環境を考慮した、循環型のライフスタイルを目指す幅広い団代が参加する盛大なお祭り。

 私たちは、日本から持ち込んだおコメ(黒米入り)を現地で炊いて作ったおにぎりや、日本から持参した味噌と現地の有機野菜を入れた味噌汁、日本のきな粉と現地の蜂蜜をかけたバケット(フランスパン)を試食品として用意。さらに、千葉県農民連の地酒「ほたるの舞」も持ち込んで、試飲していただきました。

 そのどれもが大好評で、リーキ(ネギ)とかぼちゃとじゃが芋の入った味噌汁はあっという間に空っぽになり、おにぎりを何個もほおばる子供の姿も。また、そもそも大豆を食べる習慣がないフランスの方が、きな粉パンをおいしそうに食べていました。

 有機のお祭りということで、参加者は農産物への関心が高い方ばかり。それでも日本の食べ物を見たことも、食べたこともないようで、皆さんから質問攻めにあってしまいました。

 有機認証を受けている生産者は多古町旬の味産直センターでもかなり少数です。日本全体の割合も同様に少ないのですが、フランスの場合も二%に満たないということを、このお祭りの主催者からうかがいました。

 消費者の真のニーズに応えるには、有機の認証を取ることだけでなく、生産者と利用者との双方向の関係を作ることこそ大切です。今回のような農家と都市住民との交流を、日本でも実践していきたいと思います。

(多古町旬の味産直センター 小林由紀夫)

(新聞「農民」2003.11.24付)
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2003年11月

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