演劇アリストパネス・カンパニー「喪服のエレクトラ」将軍一家の愛憎の葛藤描く<
東京・世田谷区の住宅街の一画にある劇場「スタジオAR」(東急世田谷線松陰神社前駅近く)を拠点に、上演活動をしているアリストパネス・カンパニー。今回はアメリカの近代演劇の始祖といわれるユージーン・オニールの「喪服のエレクトラ」を上演します。カンパニーを主宰する黒川欣映による脚色・演出。 この作品は、ギリシャ悲劇アイスキュロスの「オレスティア」の主題をもとに、南北戦争直後のニューイングランド地方の将軍・マノン一家の屋敷を舞台に、父母、姉、弟たちによる愛憎の葛藤を描いたものです。原作は五時間におよぶ戯曲ですが、今回は大胆な試みによって二時間半の舞台に仕上がっています。時代背景は、日本の明治維新直前に相応しており、「ギリシャ悲劇の現代化」ともいわれています。 マノン一家の妻クリスティーン役の檜よしえさん(俳優座)は「古典ものが好き」といいます。そして、「ギリシャ悲劇には、人を殺すにも、いけにえにするにも理由があります。自分が生きるための殺人であったり、愛するためのものであったりします。それが人間の業というものだろうと思います。暗いというより重いテーマをもっています。憎しみ、悲しみ、喜び、すべてにエネルギーがないとできない芝居です。小さな劇場では役者の息遣も大切な要素であり、格調のあることばを、どのようにして伝えるかという課題があります。いま、むずかしさとやりがいを感じています」と語ります。 出演は、マノン一家の父親・エズラ・マノンに劇団世代出身の坂本大地、その娘・「喪服のエレクトラ」=ラヴィニアに文学座出身の島田桃子、その弟・オリンに文学座の椎原克知、下僕・セスに俳優座の神山寛など、個性的な俳優が顔をそろえています。制作の北川正徳さんは「アンサンブルとレベルの高い舞台成果が期待される」といいます。 (鈴木太郎)
*11月21日〜30日、東京・東急世田谷線松陰神社前駅下車1分・スタジオAR。連絡先=TEL 03(3414)7030 (新聞「農民」2003.11.17付)
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[2003年11月]
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