価格操作・「米改革」絶対許せない
米屋さんからの手紙に励まされ…
準産直米運動に喜びと誇りを感じた
交流会と手紙交換で思い共通
東京・米屋沖田公成さん 石川・農民連牧田孝允さん
「現在、東京の米屋は極端な品不足と、それにともなう、例年の三割増の仕入れ価格にみまわれています。…米の流通に商社が参入し、投機的意味あいが強まってくるなかで、牧田さんの言う『運動』が今こそ必要であると思います」。
こういう手紙が届きました。差出人は品川区の米屋さん、「(有)おきた」の沖田公成さんです。私はこれを読んで“準産直米”運動の本当の意味を確信しました。
「“作る人の顔が見える”お米を、米卸・米屋さんを通して消費者に届ける」というのが“準産直米”の運動。沖田さんは昨年から、私たち石川農民連のお米を扱ってくれています。初めてお会いしたのは八月の交流会でしたが、それ以前も手紙をやりとりしていました。そのなかで、沖田さんと思いを共有できたことに喜びと誇りを感じています。
今年は冷夏の影響で、私の田んぼも昨年に比べて一割の減収になりました。沖田さんへの返信で私は、「こんな時期だからこそ価格を据え置いて消費者を大いに拡大したい」という思いとともに、「長年痛めつけられてきた百姓としては、少々の値上げを許してほしい」という思いもあることを率直に書きました。
しかし、沖田さんが言うように、買い占めや売り惜しみなど、投機的な価格操作は絶対に許せません。そして何より、お米の流通を市場原理にゆだねて農家と米屋さんを淘汰する、政府の「米改革」を絶対に許してはならないと思います。
この運動に、農家と米屋さん、消費者が手を携えて立ち上がること、そのために、安全・安心でおいしいお米を大いに作り、共同の輪をさらに広げていかなければならないと確信しています。
(石川農民連 牧田孝允)
(新聞「農民」2003.11.17付)
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