「農民」記事データベース20031110-610-09

松尾佐知子の

やっぱりごはん

(月2回掲載)


 夫五十八歳。健康診断で糖尿病が発覚。肝臓も“フォアグラ”の一歩手前。医者に「とにかくやせなさい」と言われた夫は、「妻は管理栄養士ですから…」とポロッともらした。栄養士歴三十年以上の中で、最も後悔しているのが夫を太らせてしまったこと。

 ついつい料理を作りすぎ、食べさせすぎ、その上ここ一年、夫は仕事の関係で外食や飲む機会が増えて太り放題。気になっていたけど、「本人が悪い」と知らん顔していた。でも、管理栄養士の意地をかけて夫のダイエット作戦を開始した。

 まずは朝晩、体重計にのせて体重と体脂肪を記録させることから始めた。ダイエットは、なんといっても本人の意志が固くなければ無理。そして私は低エネルギーの食事作りと糖尿病の点数の指導を。食べてはいけないものはないから量を知ることが大切だ。もちろんごはんも適量を朝昼晩と食べている。食事の中心は野菜たっぷりの汁もの。豚汁、けんちん汁、きりたんぽ、たらちり、かき鍋など、野菜がおいしい今の季節は最高。きのこやこんにゃくもほぼレギュラー出演。翌朝はその残り汁で雑炊。お弁当も野菜中心である。

 そのかいあって二週間で二キロやせた。年内中にあと四キロがんばる予定だ。食べ放題、飲み放題できない夫は、前よりも食べものがいとおしく思えるようになったと言う。

 さて総選挙のさなか、食べものをおろそかにせず、日本の農業を守る政党に大きくなってもらいたい。

(管理栄養士)


ごはんも適量食べながら

究極のダイエットスープ

<材料4人分>
水     5カップ
かつお節    20g
}出し汁をとる       
油…………小さじ
豚肉………200g
玉葱………2ヶ →半分に切ってスライス
人参………1本 →いちょう切り
しいたけ…1袋 →スライス
セロリー…あれば→スライス
キャベツ…半ヶ →ザクザク
塩…………小さじ1
こしょう…少々
しょう油…大さじ1
 ◎ じゃが芋、カリフラワー、ブロッコリー、かぶなど旬の野菜を
入れてもOK。
<作り方>
(1) 鍋に油を入れ、豚肉を炒め、野菜を入れる。
(2) かつお出し汁を入れてコトコト煮込み、煮えたら味を整える。
 ★ 献立は…ほうれん草としめじのポン酢かけ。ごはん。ダイエットしていない人はさんまのかば焼きをつけてね。
(新聞「農民」2003.11.10付)
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2003年11月

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