関東ブロック女性部楽しい学習と交流訪ねてみたかった直売所 山梨県韮崎市
心づくしの品々と笑い顔が売りもの「あった、あった。あれだよ!」――JR韮崎駅から車で十五分ほど、甘利山に続く坂道の途中に、山梨農民連のお母ちゃんたち十人が運営する直売所があります。 ここが、十月二十五、二十六日に開かれた「関東ブロック女性部学習・交流会」の最初の訪問先。わずかな土地と建物、そして仲間がいればできることを実証している直売所があると聞いて、「ぜひ参考にしたい」と訪ねました。 お店をのぞくと、カボチャ、ネギ、ダイコンなどの野菜類、白大豆、トラ豆などの豆類、さらにもち加工品や漬物、卵など、少量ずつですが、心を尽くした品々が平台に所狭しと並んでいます。 一万円の出資金を出しあって建てたという建物は、鉄パイプの骨組みにベニヤ板の壁。「いらっしゃ〜い」と元気に迎えてくれた堀内美恵子さんは「雨が降ると雨漏りするんですよ」と気にもとめない様子。見上げると、いくつもクギ穴のあいたトタン板が張ってあり、「なるほど…」と妙に感心させられました。 直売所は、土曜日の午前中に開店。会員の手数料は無料で、それ以外の方からは売り上げの一割をもらうそうです。堀内さんは「店番は当番制でなく、やれる人がお茶を飲みながら、笑って楽しんでやるんですよ。自分にないものを買い合ったりしてね」とにっこり。 この日のメンバーは、勤めの合間におじいちゃん、おばあちゃんに助けられて野菜を作っている仲田洋子さん、数年前に東京から夫の実家にきて教わりながら畑をやっている望月スミ子さん、そして渡辺睦子さん。 昨年まで看護婦をしていた渡辺さんは、今年十坪の畑で採れた野菜と七羽の鶏の卵を二軒の消費者に契約販売。「これで手いっぱいよ」と笑って話します。 堀内さんは、平日は特別養護老人ホームで働いています。「労働時間がどんどん長くなり、農作業が思うようにできない」のが悩みとか。それでもお互い支え合いながらがんばるお母ちゃんたち。「安全でおいしいものを提供したい」思いと、「自分たちの楽しみ」が折り重なった姿が輝いています。
語り合い、笑って食べて…2日間この交流会には、関東の二十五人のお母ちゃんが集まりました。直売所に続いて白州町の交流促進施設「道の駅はくしゅう」を視察し、「米改革」「もの作り」「組織」などのテーマで学習と活動交流。日頃の思いを語り合い、笑って、食べて、楽しい一時を過ごしました。 長野・佐久楽農倶楽部の事務局の井出一恵さんは「五俵でも六俵でもと集めた」準産直米のとりくみを発言。神奈川の小澤悦子さんは、土地開発の計画が持ち上がり、消費者を巻き込んだ反対運動のなかで直売所をつくった経験を報告。埼玉の中島仲子さんは、「女性部の発展にとって、女性専従の役割が大きなカギだった」と述べました。 「農業を続けるためのポイントをしっかり押さえることが大切」と、高橋マス子女性部長。「総選挙は農業つぶしの政治を変えるチャンス。政治に対する怒りを、学習して行動につなげよう」と呼びかけました。 (茨城農民連女性部 吉川路子)
(新聞「農民」2003.11.10付)
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[2003年11月]
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