農業と食糧は、21世紀の国づくりの根幹! 農家を生産から締め出す勢力に審判を下し、 農政をおおもとから転換させよう
2003年10月27日 農民運動全国連合会常任委員会
会員のみなさん。「農民」読者のみなさん。
十月二十八日公示、十一月九日投票で総選挙がたたかわれます。二十一世紀最初の今度の選挙は、小泉「改革」によって国民が苦悩と将来への不安を高めているなかで、今の国民の痛みをどう解決するのか、また、新世紀にどんな日本をつくるかを問う重大な選挙です。
自民党と公明党を中心にした小泉内閣の二年半余の政治は、大企業の史上空前のリストラと中小企業の倒産による失業、医療・社会保障の切り捨て、増税などによる国民負担の押しつけの連続でした。また、アメリカいいなりのイラク戦争賛美、自衛隊をイラクをはじめ海外に派兵するための法整備、有事法制の強行など、まさに歴代の自民党内閣の中でも最悪のものでした。
農業では、小泉内閣が発足して最初にやったことは、農産物輸入の激増に苦しむ農民と安全な国内産の農産物を求める国民の運動によって「暫定発動」にまでこぎつけたセーフガードつぶしでした。また、農業・食糧に対する政府の責任を投げ捨て、中小農家を生産から締め出す「米改革」をはじめとした農業版「小泉改革」の推進でした。
こうした国民犠牲の根源にあるのは、アメリカいいなり、財界中心の政治です。
特に食糧自給率が40%という異常事態となり、日本農業が重大な危機に直面しているのは、歴代の自民党政府が、工業製品の輸出による大企業の利益を最優先し、その代償にアメリカいいなりに農産物の輸入自由化を押し進めてきた結果です。にもかかわらず、いま政府は、さらに大企業の利益を確保するために、主食である米の完全自由化を前提に、国内の生産を大幅に縮減する方向を押し進めています。
いま重要なことは、農家を生産から締めだす「米改革」をキッパリ中止し、農業・食糧を国づくりの根幹に位置づけ、自給率向上をめざして国をあげて取り組むことです。
今度の選挙をめぐって自民党と民主党による政権争奪が争点であるかのような論調があります。
しかし、今回の選挙の重大争点である憲法改悪や消費税増税問題をはじめ、アメリカと財界のひもがついているという点で自民党と民主党の間に違いがないことをよく見ておく必要があります。
会員のみなさん。「農民」読者のみなさん。
農民を生産から締めだす政党に、どうして農民の願いを託すことができるでしょうか。また、世界的に食糧危機が深化しているとき、食糧の生産と安定供給の責任を放棄する勢力に二十一世紀の国づくりをどうして託せるでしょうか。
農政をおおもとから転換させる選挙にするために全力をあげようではありませんか。
(新聞「農民」2003.10.27付)
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