松尾佐知子のやっぱりごはん(月2回掲載)
秋の信州に小さな旅。連なる山々を背に田んぼは稲で金色に輝いていた。「黄金の国ジパング」とは、この風景を見て言った方があたっていると一人で納得。 稲刈りの終わった田んぼのはぜ足を見て思わず涙。遠い昔を思い出した。田植えも稲刈りもみんな家族そろっての手作業。学校も農繁休があって子どもたちも労働の担い手。農作業は辛くていやで私はいつも食事作りに逃げていたっけ。今の私があるのはそのおかげだけど、なぜか大きな大切な忘れ物をしているように思えてならない。 「道の駅」「直売所」などをのぞくのも楽しみのひとつ。作った人の名前が入っていると「どんな人だろう」と思いながら作物を見る。今ブームの雑穀もあったので表示を見ると、なんと小さく「中国産」と書いてある。わらびのしょう油づけはロシア産、かんぴょうは中国産、まつたけはカナダ産。すりくるみがあったのでどこのものかと聞くと「表示義務はありません」との返事。そして誇らしげに表示されているのは「国産品」。おかしいよ、この国はどこの国。なんでこうなったの。WTOおかしいよ、自国の農業守れ!! もうひとつ驚いたのは里芋がピーラにかけられて売られていたこと。「皮ぐらい自分でむいてよ、あのモサモサした毛を手で感じてよ」と大きな声で叫びたい。 (管理栄養士)
ぬめりも味わおう、だしいらずのいもこ汁
(新聞「農民」2003.10.13付)
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[2003年10月]
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