「農民」記事データベース20030929-604-08

旬の味


 「今年は不作と聞き、農民連と産直をやってきて良かった」とは、新婦人のお米学習会での発言▼冷夏の影響で、不足が決定的な新米。政府が「備蓄があるから心配はない」と言い張る備蓄米は、平成十二年産以前の古々米と外米だけ▼農家リストラの「米改革」が来春から具体化され、不安が渦巻く日本の農村。メキシコ・カンクンWTO閣僚会議では、農産物輸出国が自分勝手な関税引き下げを主張している▼「なぜもうからないのに農業を続けるのか」という質問が新婦人の方から出た。「最低賃金以下しか出ず、外で稼いだ分もつぎ込んでいるけれど、消費者と交流するなかで励まされ、作り続ける元気をもらっている」と話した▼山形・庄内産直センター米部会の「田まわり」で感心させられるのが、山間部で米を作る朝日村の農民たちの熱心さ。はるか上流から水路や山道を整備し、田んぼの法面の草を年に何回も刈る。この努力に励まされる。今なお新たな探究と展望を広げている米産直と、作り続ける農民の姿を学ばなければと痛感する。

(巌)

(新聞「農民」2003.9.29付)
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2003年9月

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