関東大震災80周年記念集会世界史的視野で真実学ぶ国家責任問い、犠牲者追悼
今年の九月一日は十四万人以上の死者・行方不明者を出した関東大震災から八十年。この震災直後、流言蜚語により罪のない在日韓国・朝鮮人六千人以上、在日中国人七百人以上が天皇の軍隊・警察、自警団の手によって虐殺されました。犠牲者を追悼し、歴史の真実を世界史的視野で学び、「今」を考えようと、「関東大震災八十周年記念集会」(主催・同実行員会)が八月三十、三十一日、東京・江東区の亀戸文化センターで開かれ(写真〈写真はありません〉)、のべ六百人が参加しました。 集会は、「ほうせんか」合唱団のうたごえとソプラノ歌手・李松子さんのアリラン、鳳仙花などの独唱で開会し、犠牲者への黙とうが行われました。実行委員長の松尾章一法政大学名誉教授は「殺された犠牲者と遺族にとって震災は大人災であり、絶対に忘れられない悪夢。加害者である日本人にとっては歴史上の最大汚点だ。八十年たっても今だに日本の国家権力は、厳然たる歴史的事実を明らかにしようとしない」とあいさつしました。 山田昭次立教大学名誉教授が「関東大震災と現代―震災時の朝鮮人殺害事件と国家責任・民衆責任」と題して記念講演。この後、(1)世界から見た関東大震災史(2)朝鮮人殺害事件等の追悼・検証活動(3)関東大震災と現在・未来の三つのテーマについてシンポジウムが行われました。韓国・光云大学(ソウル市)の金廣烈さんは、同国の在日朝鮮人や朝鮮人虐殺事件の研究状況について報告。山口県立大学の李修京さんは、日本への留学で雑誌『種蒔く人』を知った文学者・金基鎮の活動を紹介しながら韓日連帯・平和運動について話しました。中国上海市の華東師範大学の楊彪さんは、周恩来元中国首相と日本で学んだという在日華僑労働者共済会会長の王希天が軍隊に逮捕され殺された「王希天事件」の考察を通じて、中国側から見た中国人虐殺事件の研究成果を発表しました。 この他、香川県の行商人が朝鮮人とされ、九人が千葉県で虐殺された事件、朝鮮人犠牲者の遺骨掘り起こしと慰霊碑の建立のとりくみ、八月二十五日に日弁連が小泉首相に提出した関東大震災直後の朝鮮人、中国人虐殺事件の謝罪と真相調査を求める勧告などについて報告がありました。
(新聞「農民」2003.9.15付)
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[2003年9月]
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