特別栽培農産物に関わる表示ガイドライン改定について(4)=最終回
【種子消毒も農薬使用】購入した種子、苗が消毒されている場合、農薬使用として回数に含めなければなりません。種子消毒についての情報は種苗会社に直接確認しなさい、というのが農水省の言い分です。ところが種苗会社は種苗への農薬使用を表示する義務がなく、農薬使用の証明書が出るかどうかは今のところはっきりしません。また、生産段階で慣行より五割減の農薬使用であっても、流通段階で使用する農薬を含めると五割を超えるという場合は、販売業者はガイドライン表示で売ることができません。
【資材はどこまで含むか】BT剤など、化学合成農薬でない薬剤の使用については、「農薬不使用」にはなりませんが、使用回数には含めません。使ったことは表示しなさい、ということになります。
【罰則について】今回のガイドラインは指導要綱ですから、法的な規制や罰則はありません。ただし根拠のない表示については、生鮮食品品質表示基準の禁止事項によって罰せられます。 ガイドラインは、減農薬や減化学肥料表示を法律的に禁止することではありません。あくまでも、ガイドライン表示をする場合は今回改定した内容を厳守して表示しなさいというものです。なお、このガイドライン表示をするかどうかは農家本人や産直組織の判断となっています。
【今後の対応】五月二十六日に公表されたばかりですが、こういうガイドラインが新しく設定されると、生協や流通業界の対応の変化が予想されます。日生協の産直政策を担当する産直委員会では、早速、ガイドラインを各産地に指導、要請する方針が出されています。 このガイドラインによって、複雑で不十分な基準が強制され、事務処理も増加して、栽培や販売の規制で農家の首を絞める、ということも考えられます。これから予想される生協や流通業界のさまざまな動きを、ぜひ産直協へご報告下さい。 合わせて、この問題で農水省交渉も行います。各地でも農政局、都道府県との交渉やレクチャーを行い、産地からどんどん疑問、意見、要望を言っていくことが、とても大切になっています。 (おわり)
(新聞「農民」2003.9.8付)
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[2003年9月]
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