長野・伊那市昔の姿残した自然な水路を脱コンクリートの改修工事、県も認可
ドジョウ、蛍、シジミも…長野県伊那市東春近で、脱コンクリートの、自然の生態系を重視した水路の改修が行われています。この事業は、受益水田面積八十一ヘクタール、農業用排水路一万五千八百七十二メートル、農道八百七十メートルにおよぶ改修工事で、予算は六億円。水路の改修は老朽化したコンクリートのU字溝を敷設替えする工事です。 しかし中正井筋だけは昔から土水路で、わずか三百八十メートルですが、いまでは唯一自然の流れが残っており、コンクリートで固めてしまうことを惜しむ声の高まりに、県もこれを認可したのです。 自然水路の設計や工法にあたっては、お役所まかせにせず、住民独自の検討委員会を設置して、県と折衝を重ね、ドジョウや蛍、マシジミなど数多く生息する生物に配慮して、川底や護岸に石や砂を残し、魚巣やセギも作り、蛇行する川の流れはそのまま。一部コンクリートも使いますが、それらは森林の間伐材で覆うなどの工夫もして、生態系もベスト、農業もベストの水路として、自然と人間が共存する川をめざしました。 さらに小学校や地域の公民館などとの連携もはかり、住民参画の「中正井の自然を愛する会」を立ち上げて、今後の水路の管理をしていくなど、地域に密着した水路にしていく考えです。 この事業の工事委員長を、私が務めることになりました。 (上伊那農民組合 飯島光豊)
(新聞「農民」2003.9.8付)
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[2003年9月]
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