「農民」記事データベース20030908-601-02

「米改革許すな!」学習・討論集会

「三つの農業リストラ」打ち破る歴史的運動起こそう

27道府県から参加 各地の取り組み、活発な発言

 農民連は八月二十五日、東京で「米改革を許すな!」の学習・討論集会を開き、二十七道府県から七十四人が参加しました。多くの農家に「米改革」の内容やねらいを知らせ、農家が生産から撤退せずに米作りを進めるための地域ぐるみの取り組みを一気に広げ、「米改革はやめろ」の世論を盛り上げていこうと開いたもの。


 すべての農民に呼びかけて

 集会では、佐々木健三会長のあいさつの後、真嶋良孝副会長が「米改革」について詳しく報告。真嶋氏はそのねらいを(1)現在百七十四万戸の稲作農家を十万戸弱に「リストラ」し、残りの農家を「ガーデニング」農家とする(2)コメ輸入を完全に自由化する道を開くために国産米を「リストラ」する(3)大企業・銀行や公共事業に予算をまわすための米・農業予算の「リストラ」――の三つのリストラと解明。WTOと連動した「米改革」に抗して安心・安全な国内産を求める国民の願いに応え、集落すべての農民に大いにものを作るために働きかけることの重要性を強調しました。

 大反響よんだ岩手の説明会

 「米改革の先進地」と言われる岩手県の実態と農民連の運動について堂前貢副会長が特別報告。堂前氏は県作成の「米改革」チラシを示し、集落の農家を米作りを「続ける人」と「やめる人」に選別する地域ビジョンなどつくれないという声があがり、矛盾が深まっている実態を明らかにしました。また、農民連が全農家組合長に呼びかけて開いた花巻市での説明会が大反響を呼び、集落ごとの説明会が計画されていること、九月六日には市町村が後援し、県庁の担当者もパネリストとなって一関市でシンポジウムが開かれるなど、農民連への期待の高まりを報告しました。

 「改革」の内容知らされずに

 各地からの報告や討論では、「米改革」の内容やねらいがまったく知らされず、矛盾をかかえたまま強引に進められている状況が浮き彫りになりました。福島県の浜通り農業を守る会は八月二十一日に五市町村を訪問。懇談の中で「地域ビジョン作りには、ほとほと困っている」「地域がなくなってしまう可能性もある」「独自の米作りをしなければならない」など、どこでも「米改革」の推進に不安や悩みが出され、「われわれ農民連が、本腰を入れて取り組んでいく構えが求められている」と福島県連の亀田俊英会長は発言しました。

 米問題の語り部となり奮闘を

 笹渡義夫事務局長は、当面の運動課題について(1)中小卸・小売と連携した「準産直米」の取り組みの飛躍と冷害対策、(2)「米改革」に反撃する号外の全農民的な普及と、九月二十七日の食健連主催のシンポの成功、(3)予想される総選挙を節目にした一気かせいのたたかいを提起。「農民をリストラするような『米改革』では、稲作は再生できない。歴史的な局面を迎えた今日、生産を増やし、組合員を増やし、農民連組織を大きくしよう。そのために参加したみなさんが先頭に立って、米問題の語り部となってお互いに奮闘しよう」と呼びかけました。

(新聞「農民」2003.9.8付)
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2003年9月

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