特別栽培農産物に関わる表示ガイドライン改定について(3)
【慣行栽培の基準】特別栽培農産物に関わる表示ガイドライン(以下ガイドライン)は、農薬、化学肥料ともに慣行栽培の五割以上減らして栽培したものが表示対象です。基準となる慣行栽培とは、都道府県、市町村など地方自治体が作成したもの、またはJAなどが作成した基準を確認したものです。この慣行栽培の基準作りが来年四月に向けて、今各地で始まっています。 ところが、各地で出された慣行栽培基準は実に不正確です。例えば愛媛などでは、ミカンの慣行栽培の農薬使用基準を少な目にして“減減”の達成が難しくなっています。他にも、栽培基準に除草剤の使用が入っていない、種子消毒が含まれていないなど、何を根拠に数値化したのか、定かでありません。 また、地域によっては基準作りが進んでいません。しかも、地域で栽培されているすべての品目に基準が作られているわけではなく、全国的には生産量が少ない地域特産物などには慣行基準がないため、ガイドライン表示ができない事態が発生しています。さらに、都道府県ごとに基準を定めるため、同品目でも県境で基準が違うなど、産地で混乱を招きかねません。そもそも「表示の中身を分かりやすくする」「減農薬などの基準を明確にする」ために始まった制度のはずが、これではかえって消費者に分かりにくいものになってしまうのではないでしょうか。「今後どうなるのか」と農水省にたずねても「やっていくうちにだんだん見直され、調整されてくるでしょう」と、いい加減な回答です。
【移行期間】ガイドライン表示は、来年四月から適用されます。表示は、来年四月以降に作付されるものに適用されます。産地がこれに向けて対応するためにも、制度を早急に実態に合った内容に改善することが求められます。 (つづく)
(新聞「農民」2003.9.1付)
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[2003年9月]
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