農民連 救援に復旧に全力
宮城北部地震佐々木会長が被災地入り七月二十六日未明から夕方まで三回も震度6前後の地震に襲われた宮城県北部は、家屋や小学校の校舎、病院の全壊・半壊など大きな被害を受けています。いまでも続く余震におびえながら復旧に取り組む被災者たち。被害が集中している矢本町、河南町、南郷町、鹿島台町、鳴瀬町は県内一の野菜地帯。この地域には農民連会員が百二十人います。宮城県農民連は七月二十七日、ただちに対策本部を設置し、自らも被災した県連の赤井健治会長、鈴木弥弘事務局長を先頭に救援活動を開始。七月三十一日には、農民連本部の佐々木健三会長、救援用の二トンダンプを運転してきた堂前貢副会長が現地入り。鈴木事務局長の案内で被災会員を見舞いながら、要求を聞きました。また、この日、兵庫県連の上野信行事務局長も一週間の予定で救援ボランティアとしてかけつけました。 鈴木事務局長が運転する車で被害のひどい河南町などに入ると、地震災害救援の横断幕をつけたダンプが行き交い、道路は陥没して片道一方通行が何カ所もあり、かわらが崩れ落ち雨漏りを防ぐためにブルーシートを屋根にはった農家があちこちに見えます。崩壊したブロック塀や農作業小屋、墓石が倒れた墓地など、地震のすごさが行く先々で見られました。 震源地近くの矢本町大塩地区の農民連会員・北沢和則さんの家は全壊。外から見るとかわらが崩れただけと思いきや、足を踏み入れて一瞬、息をのみました。壁は崩れ、ガラスや家具などが散乱し、足の踏み場もありません。 「仮設のプレハブに住んでいるが、子どもたちは怖いからと車の中で寝ている」と語る北沢さん。被害を受けた会員さんたちは、住むことができるようにと、まず家の復旧に全力をあげています。 北沢さんと同じ地区の大崎康さんのネギが大雨と地震の影響で倒れてしまいました。「収穫には機械が使えない。ネギを立てるには手作業しかない。夫婦二人だけの力ではできない。怖くて畑に行く気もしない」と大崎さん。土砂で畦道を埋められた畑などを見た鈴木事務局長らは「ネギ立てボランティアを組織して支援にくる」と約束。 佐々木会長らは十五人の会員を訪ね、要求・要望を聞き、農民連本部としても全力をあげて災害復旧活動に協力すると激励しました。 いま現地で一番求められているのは人手です。壊れた家屋や作業場の片づけ、農作業など、一刻を争う事態です。また、片づけ作業にダンプがぜひとも必要と訴えられました。
熊本・集中豪雨災害被災者の声きき県市交渉七月二十日、集中豪雨による土石流災害が熊本県水俣市で発生し、十九人が命を奪われ、家屋、車、農業機械などが押し流されました。 熊本県農民連の六人は七月二十六日、災害にあわれた同市宝川内集(ほうがわちあつまり)地区の農民連会員を見舞うとともに現地を調査。集落の人々の暮らしを奪った土石流災害の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。 宝川内川は川幅も狭く、水量も少ない小さな川でしたが、七月十九日夜から雷が鳴り響き、「まるで真昼のように明るかった」という午前四時ごろの集中豪雨により集落上流約二キロの時点で土石流が発生。十世帯を押し流し、四世帯が半壊し、平穏な暮らしが一瞬にして奪われました。 同地区に住む水俣農民組合副会長の吉海英機さん夫妻は幸いにも難を逃れましたが、住居は柱がずれて床下には土砂が流れ込んで半壊状態。隣にあった小屋は流され、トラクター、田植機などの農機具は跡形も残っていません。 吉海さんは現在、被災者の声をまとめ、市や県に対して仮設住宅の建設や飲料水の確保、水田、みかん園の現状復帰などを求めています。仮設住宅は水俣市が早急に建設することになりました。 被害を大きくした要因として、県から市への水俣川の水位情報がなかったことや避難勧告の遅れが指摘され、改善が求められています。 地域の農民は棚田で米を作り、山にはみかんを植えて、なんとか生活を成り立たせてきました。吉海さんは「亡くなった人の多くは地域の担い手だった三十代〜五十代。しかし、この地域に住み続けたいという人が被災者のなかに多く、地域再生をどうするかをみんなで考え、行政にも働きかけたい」と言います。 熊本県連は、被害者の要望を市や県に申し入れ、今後も地域で住み続けられるよう支援していきたいと思っています。県連は、被害者救援のため義援金を農民連会員、新聞「農民」読者にお願いすることにしました。 (熊本県農民連 笹渕賢吾)
救援のボランティアと募金農民連が全国に呼びかけ農民連本部は八月一日、救援ボランティアと救援募金に協力する訴えを全国に呼びかけました。
連絡先=宮城県農民連宮城県古川市桜ノ目新下釜221 0229―27―2827
(新聞「農民」2003.8.11付)
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[2003年8月]
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