新潟県央センター昔懐かし笹だんご作り
家庭の味、伝統食残したいベテラン お母さんから“技”習得新潟の笹だんごは、端午の節句、しかも旧節句の六月に、田植えを終えたお祝いや、喜びの振る舞いに作られたもの。笹の保存効果やくず米などの利用も兼ねた、春を待つ雪国ならではの季節を感じさせる伝統食です。その作業は笹取り、あんこ作り、もち米をこねて笹に包んでと、二日がかりのスローフードです。高度成長前までは各家庭で作ったもので、それぞれの家庭の味があり、子どものおやつは毎日この“だんご”という時代もありました。しかしたいへんな手間と、食生活の変化などで、あまり見られなくなっていました。 近年、日本食の見直し、伝統食ブームなど食への関心が高まるなか、笹だんごも食品売り場に出回るようになってきました。けれど「昔作った」となつかしさで買い求める人はいるのですが、作るまでにはいかないのが大方のようです。 県央センター事務局長のお母さんの鶴巻ハツさん(77)は、嫁に来る前から作ってきた大ベテラン。五十年来、毎年子どもや親戚に送るのを楽しみにしてきたハツさんの作る笹だんごは、医療生協の朝市でも好評です。 この笹だんごを継承していきたいと、熊倉幸子さんと中村豊子さんと私の三人でハツさんから講習を受けました。ハツさんに笹もあんも事前に用意してもらい、もち米の粉に春先に取って冷凍しておいた「よぼぎ」の葉を入れ、こね、丸め、あんを入れて俵型にし、笹に包んでしばる、という作業をしました。 三枚の笹の葉に包み、「すげ」という草でしばります。慣れないと笹の間からだんごが飛び出し、形よく包むのも、経験を重ねないとできません。二時間の悪戦苦闘で六十個近くができ上がり、蒸かして食べました。 できたての笹だんごをいただきながら、これからもいろいろ作っていきたい、みんなで勉強していこうと話し合っています。 (新潟県央センター 捧たみ子)
(新聞「農民」2003.8.4付)
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[2003年8月]
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