「農民」記事データベース20030804-597-01

「米改革」と食糧法改悪に抗議

米を作らぬ日本にしてなるものか

秋田 トラクター・軽トラ69台デモ


 「食糧法の改悪を撤回しろ!」「許すな! 農業つぶしの『米改革』」――気合の入った「かあちゃんウグイス嬢」がマイクを握る三台の先導車を先頭に、ムシロ旗を掲げたトラクター五台、ノボリやカカシを立てた軽トラックが六十一台、合わせて六十九台が、七月十八日、秋田市内の中心部をデモ行進しました。

 国民の九割が国産米を食べたいと願っているにもかかわらず、米の生産と流通のあり方を抜本的に改悪し、日本を“米を作らない国”にする「米改革」と食糧法改悪。これに抗議するトラクターと軽トラックの長い長いデモ隊列です。

 市内の目抜き通りにさしかかると、沿道から手を振って声援を送る市民の姿も。また、昨年に続いて二回目となった今年は、マスコミも注目。

 デモと、それに先立って開かれた集会は、秋田県農民連や県厚生連労組、県農協連労で構成する秋田県米価対策共闘会議が主催したもの。百人余が参加した集会で、佐藤長右衛門議長(県農民連委員長)は「米改革は、今でも赤字生産の米価をさらに下落させ、圧倒的多数の農民を田んぼからしめ出す農民リストラを進めるもの」と批判。「過剰米対策だといって、農家から一俵三千円で買いたたく農水省の考えは、ことの本質を表している」と指摘。

 続いて、「だまっていられない三分発言」。県南部の雄勝町の川崎秀悦さん(43)は「中山間地域で米を作っているが、水路管理などは大きい農家だけではできず、昔から地域全体でやってきた。中小農家が生きていけなければ地域が崩壊する。米を再生産するためには一俵二万円がどうしても必要だ」と腹の底から訴え。

 県北部の二ツ井町の佐藤勇さん(55)は「米が赤字になり、野菜で収入を得てきたが、それさえもどんどん下がってきている」と、多くの農家が直面している厳しい現状を語ります。県中央部の秋田市の鈴木万喜夫さん(52)は「今ここで何もしなければ、地域の農業は根こそぎなくなってしまう。この集会に来て、勇気と元気をもらった」と意気あがる発言。三人の訴えに、満場の拍手が起き、「米・農業つぶしを断固として許さず、秋田の農業と農山村の復権のためたたかう」とする特別決議を採択しました。

 初参加の佐々木春男さん(54)=金浦町=は「農協は、もっと厳しくなるというだけで詳しいことは何も教えない。もっと勉強して自分たちの思いを発していかなければ」といいます。また、近所の会員さんに誘われて参加した長崎政蔵さん(66)=鷹巣町=も「農家全体がこのようになれば日本も変わるのでは。来年もがんばるぞ」と元気に語っていました。

(秋田県農民連 石井 茂)

(新聞「農民」2003.8.4付)
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2003年8月

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