「農民」記事データベース20030728-596-08

自前で捕獲用オリ作った 岡山・佐伯 農民連の仲間

イノシシ退治はおまかせ

ひどい農作物被害に発奮


 岡山県内ではイノシシやシカ、ヌートリアなどによる鳥獣被害が広範な地域に及んでいます。和気郡佐伯町でも、イノシシが、町内各地に出没し、稲や大豆、タケノコなど農作物が被害にあっています。町では一頭捕獲すると、一万円の報奨金を出しているほどです。

 そんななかで、今年から、秋の収穫期にあわせ、自前のイノシシ捕獲用の檻(おり)づくりにがんばっている農民連の仲間がいます。佐伯町田土で稲作七反を営んでいる井本勝さん(54)です。

 井本さんは、先祖代々受け継いだ農地を守っています。この地域は、戦国時代の浮田氏と浦上氏の合戦の舞台になった天神山を仰ぎ、また美しい棚田がひろがっている中山間地です。ホタルもたくさん生息しています。田土梅(たどうめ)の産地ですが、近年は梅も輸入に押されています。

 井本さんは高校卒業後、勤めながら農作業をしていましたが、最近農業に専念。あらためてイノシシ被害のひどさに腹立ち、いたたまれず檻を作り始めました。

 資材費用だけでも二万円程度かかり、そのうえ溶接など大変な作業ですが、現在四台が完成しました。井本さんは「若者からもどのように作るのか問い合わせがありました。秋には本格的に檻を設置して、米ぬかをエサにおびき寄せます。捕獲の状況をみて普及もしていきたいです」と意欲的です。有効なイノシシ被害対策として期待されます。

(連絡先)佐伯郡田土一八九四 井本勝 電話0869―88―0442

(中国ブロック編集協力員 三澤市郎=岡山県農民連)

(新聞「農民」2003.7.28付)
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2003年7月

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