=遺伝子組み換え稲=屋外の試験栽培急ぐな農水省・厚労省に 緊急集会で抗議相次ぐ
「今、なぜ、遺伝子組み換え稲の屋外試験を急ぐのか」「ストップ遺伝子組み換え汚染種子ネット」などの呼びかけで七月三日、都内で緊急集会が開かれ、集会に出席した農林水産省と厚生労働省に、厳しい抗議の声が相次ぎました(写真〈写真はありません〉)。 今年四月、農水省は遺伝子組み換え稲の野外での試験栽培を承認し、現在、岩手県と北海道で試験が行われています。とくに北海道では、隔離圃場での試験を行わずに、一足飛びに一般圃場での試験栽培が行われています。試験栽培されているのは、トウモロコシの遺伝子を入れて米粒を大きくし、収量増をねらった二品種と、組み換えの元になった「キタアケ(=耐冷品種)」の計三種類。 この試験栽培について農水省は、「各八十株ずつ、合計一〇平方メートルに栽培している。稲の花粉は一〜一・五メートルしか飛散せず、近隣の田んぼとは二キロ離れているので大丈夫だ。組み換え稲株の周囲にモチ品種を植えて交雑が分かるようにもしてある」と説明。 参加者から「八十株で、花粉が飛散しないとは言えない」「農家が減反で苦しんでいる今、開発する稲がなぜ増収品種なのか」「消費者に遺伝子組み換えのニーズなどない」の意見が相次ぎました。 続いて厚労省が、遺伝子組み換え品種同士のかけあわせ品種六種類の安全性を、ほとんど情報公開もせず短期間に承認した件について、「食品安全委員会の発足に関連する省庁再編に合わせて、日程が縮まっただけで急いでいない」と説明。 これに対して参加者は、「他の申請は食品安全委員会に引き継がれるのに、この六種類だけが承認されるのはおかしい」「コーデックス基準が批准され、食品安全委員会の安全性確認が厳しくなることを見込んで、基準のゆるい今のうちに急いで承認したことは明らかだと追及しました。
(新聞「農民」2003.7.21付)
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[2003年7月]
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