地場産大豆100% 天然熟成の味噌新潟農民連の加工場「ふじの木農場」
建設協力者にユニークな“配当味噌”副産物“塩こうじ”も評判に消費者の協力も得て立ち上げた「ふじの木農場」(代表・鶴巻純一さん)は、新潟農民連県央センターの自前の味噌加工場です。昔、農家は自家製の味噌を作っていましたが、減反政策によって「米ばかりに頼れない。付加価値をつけた加工品を作ろう」と思案する中で、三条市に農場を建設しました。規模は小さいのですが、味噌加工場を新設したのは五年前の一九九八年十二月でした。県央センターは新婦人と米や野菜の産直をしていましたが、味噌加工場設立には新婦人の会員さんや農民連会員など、多くの方に賛同してもらい、建設資金の借り入れの訴えに協力をいただきました。必要な金額の約四〇%にもなり、利子(年二%)相当の味噌を「配当味噌」として毎年暮れに届けています。 原料の大豆や米は、地元の農家が作っているので、安全・安心な味噌であると自負しています。もちろん、おいしくなくては消費者から受け入れられません。 味噌は「麹作り」と言われるように、「一番気を使うのは麹作り」と語る鶴巻さん。麹室の温度調節には三日三晩の気配りが必要です。麹がうまくできあがったときには、ほっとするそうです。 水にひたしておいた大豆を蒸して、作業に入りますが、農作業の暇な冬場に一年間分、約四トンの味噌を一気に仕上げます。味噌が出来上がると、新潟県食品研究所に行き、麹や味噌の批評をしてもらうなど、おいしい味噌作りのために試行錯誤の毎年です。 今年は五年目で、借り入れ返済を約束した期限を迎えます。あちこちから「おいしい」という評価をいただき、大豆畑トラストでは「大豆より、『ふじの木農場』の味噌がほしい」といわれるほど。鶴巻代表は「まだまだ、これから」と謙虚です。 最近では、味噌作りの副産物、麹を使った漬物床用の「塩こうじ」が評判で、インターネットで注文がきます。「麹のうまみの効いたサラダ感覚の漬物や魚の干物に使うと大変おいしい」というメールが届きます。味噌作りから出てきた副産物の評判に、内心意外なことと喜んでいます。 農家が自家製味噌を作らなくなってから久しくなります。農家が作り出す味、原料も作っているからこそできる味噌。これからも続けていくために、「作ってこそ農民」の精神を発揮して、みんなで力を合わせて頑張っていきます。 (農民連にいがた県央センター 捧たみ子)
(新聞「農民」2003.7.14付)
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[2003年7月]
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