「農民」記事データベース20030526-587-01

米つぶし許さない!!

農民連、食健連 5・14中央行動

 有事法案をめぐって国会が緊迫し、食糧法改悪案の国会審議が二十日からスタートする情勢のもと、農民連と食健連は五月十四日、「米つぶし許すな! 有事法案阻止! 五・一四中央行動」を行いました。田植えシーズンまっただなかにもかかわらず、早朝に農作業を終え、田んぼからあがり集まった農民や消費者、労働組合の代表ら百人が参加。農水省前での集会と衆院農水委員への要請を行いました。


食糧法改悪、有事法案めぐり国会緊迫

共同広げ「米政策改革」ストップ

 農水省前まえで集会

 農水省前の集会では、全農協労連の中沢善治委員長がアメリカの戦争に協力する有事法案の本質を指摘しながら、「国は食糧法改悪で米の管理責任を放棄し、有事法案で米と農地の強制供出を狙っている。食をおろそかにする点で根は一緒だ」と批判。新潟県農民連の町田拡会長が「蒲原平野から、いてもたってもいられない気持ちでやってきた。政府の試算だと、私の笹神村で現在一千戸の農家が七十三戸に減らされてしまう。これでは農業が続けられなくなるのは火を見るよりも明らか。有事法案と一緒に食糧法改悪を阻止しよう」と訴えました。

 国家公務員の労働者で作る国公労連の青木慎哉中央執行委員は「小泉首相が狙う公務員制度改革は、省庁に都合の良い仕事を公務員にさせるための制度。例えば米政策改革大綱に沿って水田をどんどんつぶす仕事をした人が出世するというもので、そんな公務員にはなりたくない」と訴えました。

 農民連の笹渡義夫事務局長は「首相が進める米改革は、農家に米を作らせず、恒常的に米を不足させ、輸入米に頼らざるをえないようにする輸入自由化の総仕上げ。共同を広げてストップさせよう」と決意を述べ、全員で農水省に「有事法制はヤメロ! 国民の主食米を守れ!」とシュプレヒコールを行いました。

 衆院農水委員に要請行動

 集会後、参加者で手分けして衆院農水委員四十人全員に要請。(1)主食への国の責任を放棄する「食糧法改正案」は廃案にすること、(2)農家が生産を続けられるよう、価格保障や備蓄制度を充実・改善すること、(3)ミニマム・アクセス米の削減・廃止を政府に要請することの三点を求めました。

 野党四党合同で食糧法案の対案

 「食糧法改正」をめぐっては、野党四党が政府案に反対し、対案を提出することで一致。対案の中に価格や所得保障を盛り込むことが協議され、実現の可能性が出ています。農水委員への要請後、議員会館で行なわれた集会には日本共産党の中林よし子衆院議員、紙智子参院議員、自由党の山田正彦衆院議員が出席。山田氏は、「食糧法改正」とともに、輸入牛肉の生産地が追跡できるトレーサビリティーの法案を野党四党として準備していることを報告しました。

 中林氏は、危険な内容はまったく変わっていない有事法案を、参議院で廃案にしようと訴え、「食糧法改悪案では農業団体に減反を押し付け、届け出れば商社が集荷、流通、販売に参入できる。米の買いたたき、買い占め、売り惜しみが起こるのは明らか。野党四党として、減反の削減・廃止、価格と所得保障、棚上げ備蓄と過剰米対策などを協議して対案を作り、米と日本の農業を守るために全力をあげる」と決意を表明しました。

 集会では農民連の笹渡事務局長が今後の取り組みについて、「野党法案で保障を実現するためにも、有事法案反対と食糧法改悪阻止の運動を独自に配置し、二つを並行してとりくみながら合流させてたたかおう。野党が一致して動き始めた背景には国民世論があり、食健連運動の成果。しかし、政府の米改革の中身が十分知られていない。食健連パンフを使って、一致点での共同を急速に広げよう」と提起しました。

 参加者は、「食糧法改悪に対する野党の対応ができつつあると認識を改めた。生産現場へ持ち帰って伝えたい」(福島・渡辺左内さん)、「四党が固まったのは大きな成果。今後は地元選出の国会議員支持者も連れてきて要請したい」(新潟・町田拡さん)など、地域で活動する決意を述べていました。

(新聞「農民」2003.5.26付)
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2003年5月

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