「農民」記事データベース20030519-586-15

旬の味


 博多どんたく、有田陶器市、ハウステンボス(長崎)は五月連休中に行われる九州の三大祭だ。どこも人出で賑わったと報道された▼戦後、梨栽培を始めたわが家。当時は二十世紀が主力品種だったので、摘果後すぐにパラフィンの小袋や二重袋をした。家族、親戚が一致団結し隣近所よりも多く、早く出荷するため“ゴールデン・ワァーク”だった。幸水、豊水の栽培に変わってからは無袋栽培が幅を利かせるようになった▼その頃は牛もよく働いた。学校から帰ると、鎌を研いでカゴを持ち、牛のエサ用に畦道のレンゲを刈った。柔らかく、おいしかっただろう。塩分を補給するために味噌を混ぜた水もうまそうに飲んだ。牛は田を耕し、代かきし、麦刈り、稲刈りでもよく働いた。ブラシで背中の毛を整えるとうれしそうだった。小学四年の時、牛舎からいなくなった。翌日から草刈りはなくなり、「日の本」のティーラーが活躍した▼「古い季節の中に新しい季節が育つ」というが、それは農業に生きる者にとって自然そのものかもしれない。

(督)

(新聞「農民」2003.5.19付)
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2003年5月

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