一緒にいいもの作ろう呼びかけをみんな待っていた
“がんばってみっか”話が弾み仲間ふえた茨城・県南「リーキを大いに作ろう」――茨城・県南農民組合の県南産直ネットワークは四月十六日、ネギ農家が多いつくば市(旧茎崎町)でリーキの栽培講習会を開きました。リーキはネギに似た作物で、十四人が参加し、そのうち組合員でない七人の農家は全員その場で加入してくれました。講習会の当日、「理事の知り合いの二〜三人くらいかなあ」と、リーキ部長の飯野良治さんと会場で待っていると、参加者がゾロゾロと入ってきました。今年初めてリーキを出荷した坂本幹雄さんが、仲間のネギグループに声をかけ、連れてきてくれたのです。坂本さんは昨年、組合に加入したばかり。私たちはうれしくなり、少々興奮ぎみに説明を始めました。 すると、「リーキはネギ作りと同じ。むしろ虫にも強く、手間をかけずに作れる」「ネギが終わった後の十二月〜三月の出荷というのも好条件だっぺ」「農薬もいらねえし、種も安い。百万円くらいがんばってみっか」と話が弾みます。農家同士の「もの作り」の話は尽きません。加入の仕方は、ひとまず千円の加入金とし、出荷が始まってから正組合費を納めてもらうことにしました。 リーキは三年前、市場を見学したときに高値で売られているのを見つけ、種を取り寄せて作り始めました。それから徐々に作る人が増え、昨年は畑での現地検討会を開催。それでも市場からは「もっとほしい」と言われ、「今の人数では限界。仲間を増やそう」と今回の企画になりました。 一方、講習会を開いたつくば市の茎崎班は、近年のネギの安値と農家の高齢化で耕作面積が減り、「税金もあまり出ない」と少しずつ会員を減らしていました。ところが今回の「リーキを作ろう」の呼びかけに、退会を申し出ていた農家が「おれも農民組合でリーキを作る」と言ってとどまってくれたことも大きな喜びです。この教訓を生かして他の地域でも“もの作りで仲間づくり”をやっていこうと思います。 (県南農民組合 小林恭子)
教えあい、助けあいもの作りに意欲的山形・庄内山形の庄内農民センターは、準組合員制度を設けて、“もの作り”の要求で仲間づくりを進めています。準組合員制度は、おおむね一年間会費を減免する制度。その間、新聞「農民」を購読してもらい、農民センターや産直センターの活動に加わって、自らの経営に役立つかどうか、判断してもらおうというものです。組合員の菅原英子さんの紹介で、羽黒町の野口一広さん、本間洋一さんのお二人が米産直などの要求で加入しました。お二人とも町の農業委員。「後継者のためにもがんばり時だ」と、産直に意欲的です。 藤島支部の小野寺裕さんは、地元集落の農家に枝豆産直の話を持ちかけて相談会を開きました。小野寺さんを含めて三人が出席。「枝豆栽培は初めて」という三人に、「私たちの組合は、教えあって、助け合って、いいものを作る協同組合だ」と、庄内産直センター代表の渡部正一さんが説明。さっそく他の農家も誘い、話し合って枝豆作りを具体的に進めていくことにしています。
(庄内農民センター 菅井巌)
(新聞「農民」2003.5.12付)
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[2003年5月]
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