「農民」記事データベース20030428-584-04

“戦争やめさせよう”

文化人らがリレートーク

関連/生々しい爆撃被害を報告


 「やめさせようイラク戦争、いのちと平和のための反戦トーク」が四月十二日、東京・有楽町で行われ百人が参加しました。 

 この日、世界と日本でいっせいにとりくまれた反戦行動に呼応して、原水爆禁止日本協議会と日本平和委員会などが呼びかけたもの。有楽町マリオン前の歩道に沿って反戦を訴えるポスターや横断幕、空爆によって傷ついた子どもの写真を掲げた参加者は、トランペットやギター、エレクトーンの演奏とともにビラを配り、道ゆく人たちに「悲惨な戦争はいますぐ中止を」「アメリカの戦争に日本を巻き込む有事法制は廃案に」と訴えました。 

 リレートークでは大学生や被爆者、宗教者、文化人らが、戦争の悲惨さとともに、アメリカによるイラク戦争が国連憲章違反であることや、この戦争で放射能による深刻な後遺症を引き起こす劣化ウラン弾が使用されていることなどを告発しながら、不法で非人道的な戦争を許さない声をあげようと訴えました。


生々しい爆撃被害を報告

写真家の久保田さん

 「ひん死の重傷を負った子どもたちが今、どうしているか心配だ」――写真家・久保田弘信さんのイラク戦争緊急取材報告会が四月十一日、東京・港区で開かれ、百十二人が参加しました。

 久保田さんはイラク戦争開戦のほぼ一カ月前の二月十七日、戦争をやめさせたいという思いからNGOとともにイラクに入り、四月一日に帰国しました。久保田さんはイラク各地で積極的に現地の人たちと交流し、反戦デモなども取材。アメリカ軍に従軍した記者とは違い、爆撃を受けている現地の生々しい実態を命をかけて取材しました。

 開戦の三月二十日早朝、空爆によって久保田さんが泊まっていたホテルの部屋がきしみ、カーテンがゆれました。「川幅が一キロもあるチグリス川対岸のホテルが空爆で壊された。捕まったら大変だというタクシーの運転手を説得して写した」というスライドで空爆のすさまじさを説明する久保田さん。

 戦争の被害を受けた子どもや民間人、壊れた商店など、戦争の悲惨さを告発しています。

 「マスコミの報道はアメリカに偏りがちなので、きちんと事実をみていくことが大切。後ろ髪を引かれる思いで帰国したが、日本の果たす役割は何かを考えなければならない」と語りました。

(新聞「農民」2003.4.28付)
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2003年4月

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