「農民」記事データベース20030428-584-02

米改革に“不信”と“抵抗感”

農水省の意識調査であらわに


 「米改革」を「評価できない」あるいは「中身を知らない」農家が三分の二、「生産調整に参加したい」農家はわずか二分の一強――。

 農水省が四月十四日に公表した「米政策改革に関する意向調査」は、政府の思惑を裏切って、多くの農家が米つぶし改革に対して底深い不信と抵抗感を持っていることを示す結果になりました。

 これは、農水省が二月から三月にかけて全国の米販売農家三千戸を対象に実施したもので、項目ごとに米改革の中身を宣伝し、誘導設問が目立つアンケート調査です。

 「農家の意向を幅広く把握し、今後の施策の具体化をはかる上での参考資料」にするという触れ込みの調査でこういう結果が出た以上、政府はいさぎよく米つぶし改革案を撤回し、本当に「農家の意向」に沿った政策を出し直すべきです。

 調査結果の概要は図のとおり。いくつかコメントしておきます。

 図1〈図はありません〉の「評価できる」は、米改革の中身に賛成なのではなく、研究会の議論が公開されたことや情報伝達が迅速だったことを「評価できる」としているにすぎません。

 図2〈図はありません〉の「生産調整に参加する」(約五五%)は、ほとんどの農家が生産調整に参加している現状に比べると、とうてい“多数派”とはいえません。今後、転作助成を大幅に削れば、三分の一以上が減反に参加しなくなることも想定されます。

 図3〈図はありません〉「有機・減農薬など特色ある米作り」は、政府の米改革の“専売特許”でもなんでもありません。米改革のねらいの一つである「コストを削減し業務用の米作り」を望む人がわずか四・五%だったこと――ここにポイントがあります。

(新聞「農民」2003.4.28付)
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2003年4月

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