「農民」記事データベース20030414-582-06

大島農相辞任

疑惑の幕引き許さずいっせい地方選で小泉内閣に審判を


 「政治とカネ」の疑惑にまみれた大島理森前農相が三月三十一日、辞任しました。これは、辞任で疑惑の幕引きを図り、有事法案や個人情報保護法案、食糧法改悪案など悪法の成立をゴリ押ししようというねらい。いっせい地方選挙で小泉内閣に厳しい審判を下し、疑惑の全容を解明させ、悪政にストップをかけることが求められます。

 大島前農相には、八戸市の市立病院建設をめぐり元公設秘書官が六千万円の「口利き」料を受け取った疑惑や、別の元秘書がビルオーナーから受け取った六百万円を不正に流用していた疑いなど、様々な疑惑が浮上。さらに、こうした疑惑に対する野党側の追求を乗り切るために、衆院法制局に想定問答を作成させた問題も発覚しました。

ところが、「秘書がやった」「関与していない」と言い逃れに終始してきた大島氏は、辞任会見でも「私自身まったく知らないこともあった」などとシラを切り続けました。

 こうした前農相をかばい続けているのが、小泉内閣と自公与党です。辞任に対して「残念」と述べた小泉首相は、自らの任命責任を棚に上げて「本人の問題」などと、一貫して疑惑解明に背を向けてきました。与党も、いったんは与野党で合意した参考人招致を先延ばしにし、農相の辞任後はこの合意をほごにする態度を示しています。

 一方、野党は、元秘書ら計四人の参考人招致を求めており、参考人への質疑の結果、大島氏の説明との矛盾が深まれば、大島氏本人の証人喚問も要求していく構え。

 後任の農相には、自民党運輸族の亀井善之氏が就任しました。亀井氏は、いまアメリカ米の輸入で問題になっている木徳神糧(当時、神糧物産)に勤めていた経歴の持ち主。その人物が新農相とは、どういうめぐり合わせでしょうか。

 後任人事をめぐっては、就任を打診した複数の農林族議員らから次々と断られる一幕も。新聞各紙も、小泉内閣の「求心力の低下」と報じており、国民の反対を無視してイラク戦争を支持し、米・農業つぶしを進める小泉内閣に、いっせい地方選挙で終止符を打つ条件が広がっています。

(新聞「農民」2003.4.14付)
ライン

2003年4月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2003, 農民運動全国連合会