「農民」記事データベース20030414-582-01

自公 重税法案を強行

いっせい地方選挙で

ガツンと審判を!


消費税免税点一千万円は、不動産、自営業収入も合算

 三月二十八日、〇三年度予算と税制改悪法が、自民、公明などの与党によって強行されました。

 四月から三割に引き上げられたサラリーマン本人の医療費負担だけでもたいへんなのに、五月から発泡酒やワイン、七月からはタバコが値上げされ、重税の痛みが庶民の肩にずっしりとのしかかってきます。

 さらに配偶者特別控除が廃止され、再来年三月の申告はだまっていても増税に。そして〇六年からは、免税点を下げられた消費税が、農家や中小業者を襲います。大企業や大金持ちには減税しながら、長引く不況、農産物価格の暴落に苦しむ国民に、さらなる増税は許せません。今たたかっているいっせい地方選挙は、こうした庶民いじめの小泉内閣と連立与党に審判を下す絶好のチャンスです。

 農家経営を押しつぶす消費税

 今度の税制改悪では、消費税の免税点が三千万円から一千万円に引き下げられました。今年の売り上げが一千万円を超える農家は、〇五年から課税業者になり、〇六年の申告で消費税を納めなければなりません。

 大阪府下の売り上げが二千七百七十万円の野菜農家を試算したところ、消費税の負担は九十九万円にもなりました(一般課税方式)。この農家の所得税は十五万円ですから、その六倍以上の税負担を新たに強いられることになります。

 農家は普通、農産物の価格に消費税を上乗せすることができないので、すべて自腹を切らざるをえません。“消費税によって経営がつぶされる”――消費税は、まさに「酷税」です。

 不動産収入なども合算

 統計によると、売り上げが一千万円を超える農家は十四万二千戸。しかし実際には、駐車場や貸し店舗などの不動産収入も農業収入に加えて一千万円が基準になるので、消費税の課税業者になる農家はもっと増えるでしょう(ただしアパートなどの家賃収入は対象外)。

 さらに農業のほかに自営業を営んでいる場合も、売り上げを合算しなければなりません。専業農家の多い地域ばかりでなく、都市近郊などでも消費税を納めなければならない農家が続出するでしょう。

 直売所や共同出荷団体も

 農家の直売所や共同出荷団体なども売り上げが一千万円を超えれば、課税業者になります。税務署は三〜四年前から、こうした任意団体(人格なき社団)へのアンケート調査を行い、法人税や消費税の課税を強める準備をしてきました。事業収入がある農民組合も要注意です。

 急いで農家に知らせ、 世論を盛り上げよう

 農家の経営と暮らしを圧迫するのは、税負担だけではありません。課税業者になると納税実務が大きな負担になります。取引先の氏名、取引年月日、取引の内容、取引額を記帳し、請求書、納品書、領収書などの保存が義務づけられます。

 これを税務署が不十分と判断し、経費の支払いの際に負担した消費税を差し引く「仕入れ税額控除」を認めず、多額の追徴が行われるケースがこれまでも相次いでいます。

 消費税の学習会や対策会議を開いて、実務に習熟するとともに、いっせい地方選挙で農家に広く知らせて、消費税をなくす世論を大いに盛り上げましょう。

(大阪・農民組合北摂支部協議会 足立 勝)

(新聞「農民」2003.4.14付)
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2003年4月

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