「農民」記事データベース20030407-581-14

「トウモロコシを木ごと送ってくれませんか」

関連/青年の仲間を迎えよう


千葉県/多古町旬の味産直センター

学校給食のとりくみ

 「アオムシ付きのキャベツを送って下さい」。「トウモロコシを一本、木ごと送ってくれませんか」――。東京都内の小中学校に、給食用の野菜を届けている千葉県の多古町旬の味産直センター。最近、栄養士さんや先生から、野菜以外の注文が増えています。学校給食や体験学習の取り組みを紹介します。

 多古町旬の味産直センターは現在、東京都内の品川区、練馬区、江東区、北区、目黒区などにある小中学校へ、給食用の野菜を届けています。

 十七年前、産直センターが初めて学校給食に野菜を届けたのは品川区の小学校でした。この時、普通のニンジンと一緒に葉付きニンジンを少し届けたところ、子どもたちからかわいい絵(写真)と、初めて葉付きニンジンを見た驚きとお礼のメッセージが届きました。以来、産直センターでは学校給食を教育の一環と位置付けています。

 学校給食を通じた食教育

 最近増えているのはアオムシとトウモロコシの木の注文です。学校に届けられたアオムシ付きのキャベツはプランターに植えられ、子どもたちは教室でアオムシを観察します。

 トウモロコシの木は、皮むき体験で使われます。皮むき体験では栄養士さんが「トウモロコシは農家が朝四時すぎに収穫しますが、それは、この時間が一番甘いから」と話します。さらにトウモロコシの木を使って、ヒゲは黄色い実の一つ一つとつながっていること、ヒゲの数は実の数と同じことなどを説明するのだといいます。

 子どもたちは、野菜がどのように育てられ、収穫されたかをこの皮むき体験で学びます。もちろん、この日の給食には多古町のトウモロコシが使われます。給食を通じて、子どもたちの農業に対する理解が深まるようになっているのです。

 都会の子どもたちが稲刈りを初体験

 産直センターで体験学習に取り組む小中学校も増えています。

 産直センターでは、牛舎を改造して、調理体験ができる交流施設「しんのみくうかん」を作り、子どもたちを受け入れています。

 江東区にある辰巳小学校は、遠足や社会科見学、総合的学習で産直センターを訪ずれ、田植えや稲刈りの体験学習に取り組みました。

 「とてもおいしかったらしくてね、野菜がたっぷり入った豚汁がすぐになくなっちゃう。ふだん野菜を食べない子も食べてくれる。オニギリがとってもおいしいからって、お弁当箱に詰めて『お母さんに食べてもらうの』って言う子もいた」。稲刈り交流会で子どもたちを受け入れた、産直センターの徳益友紀子さんはこう話します。

 辰巳小学校は、埋め立て地のため、田んぼや畑はまったくありません。田んぼや畑で自然や生産者とふれあう体験をさせたいという先生の思いが、実を結びました。そして稲刈り交流会は、子どもたちにとって、ほんものの味を知る初めての機会になりました。

 味噌づくり体験でクラスのみそ汁できるかな?

 一月には、多古町のみそ作り農家、篠塚守さんが辰巳小学校に招かれ、五年生の味噌作り体験(写真〈写真はありません〉)の先生をつとめました。はしゃぎながらも、大豆をつぶし、糀(こうじ)、塩を混ぜ合わせる作業を生き生きとこなしていく子どもたち。篠塚さんは、味噌は本来、半年から一年かけてじっくり作るものなのに、お店では一週間ほどの即席で作る「即席味噌」が売られていること、世の中には遺伝子組み換え大豆という素性のわからないものを使った味噌があることなどを話しました。

 授業を受けた子どもたちから産直センターにはこんな手紙が届きました。「今日本の大豆とかはほぼゆ入なので 外国の大豆がいっぱいです。だから 日本のみそづくりの、のうかお もっとふやしてください。ありがとうございました」。


青年の仲間を迎えよう

静岡青年部総会

 静岡県農民連青年部は三月二十三日、浜名湖畔にある館山寺温泉のホテルで総会を開きました。

 討論では、農業以外の幅広い青年との交流や農業ボランティアの受け入れ、農場めぐり、新しい青年部員を増やす活動について議論しました。

 懇親会には千葉や愛知の青年も参加。お造り、うなぎの蒲焼と釜飯などの料理を堪能したあと、持ち寄った自慢の農産物をつまみに地酒を飲みながら交流。参加者は、恋愛など、青年らしい話題で夜遅くまで盛りあがりました。

(新聞「農民」2003.4.7付)
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2003年4月

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