演劇“芝居”とは何か池袋小劇場「ドストエーフスキイの妻を演じる老女優」
東京・池袋を拠点に小劇場公演をつづけている池袋小劇場。結成から三十年の歴史をもっています。今回は一九八〇年代のロシア演劇であるエドワルド・ラジンスキイ作の「ドストエーフスキイの妻を演じる老女優」を上演します。ドストエーフスキイといえばロシアの英雄的な作家で「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」など、ヒューマニズムを追求した作品で知られています。舞台は、その妻が書き残した回想録をもとにつくられています。翻訳は宮澤俊一・雪山香代子、演出は関きよし。 登場人物は老女優と若い演出家の二人。演出家は舞台を離れて久しい女優に、役を演じるように求めます。役と彼女の実人生をむすびつけるように求めるのです。芝居のためにどのように芝居をすればいいのか、演じるとはなにか、ということを問いかけながら、人生の重みを考えさせていくというものです。老女優に沼田恭枝、演出家に小川敦史がふんします。 沼田さんは女優歴四十年のベテラン。「自分の生きてきた時代と、演じるということをつきつめてみると、あらためて確かなものがつかめてきます。その手ごたえを作品のなかに反映させたい」と語ります。「テキストをつかいながら、妻を演じるために演出家が女優を挑発して舞台をつくっていく、そういう芸術賛美のお芝居です。せりふのやりとりのなかに謎があって、やる方も楽しめる作品。謎があるということは、お客さんにも楽しんでもらえると思いますね。“演じる”“役者”“芝居”とはなにかということを考えさせてくれます」と、意欲を燃やしています。 (鈴木太郎) *4月24日〜30日、東京・池袋・池袋小劇場。連絡先=TEL03(3986)2040
(新聞「農民」2003.4.7付)
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[2003年4月]
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